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2019 年度 実績報告書

ウミヘビ類の視覚における海中環境への適応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18J15154
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

清古 貴  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワードウミヘビ / 視覚 / 適応 / 進化
研究実績の概要

今年度はウミヘビの中で唯一の外洋種のデータを加えて解析した。結果,他の海棲種では見られなかったLWSオプシンでの両棲種のウミヘビと同じ短波長シフトの置換を外洋種のウミヘビで確認した。本研究では海棲適応の結果としてごく稀に起こることが知られる292Pへの置換を両棲ウミヘビのLWSオプシンで見つけている。外洋性のウミヘビにおいては,他の海棲種にはないRH1オプシンの181Nへの置換も新しく確認した。これらのアミノ酸置換により起こる吸収波長のシフトは未計測であったため,本研究でマウスのオプシン配列を用いた計測を行った。その結果,181Nへの置換は短波長シフトを,292Pへの置換は短波長シフトを起こすことがわかった。以上の外洋種のウミヘビの結果から,両棲の結果とともに波長の限られた海へのウミヘビの視覚の海棲適応が示唆された。これまで得られた配列データを用いて,適応進化の解析を行った結果,吸収波長のシフトを起こしていると予測されたチューニングサイトにかかる正の選択圧を確認した。そのため,吸収波長を起こしたサイトにおけるアミノ酸の置換は,海棲適応の結果起こったという結果をより強く支持した。
ウミヘビの生息環境の限られた波長しか存在しない海中の光環境の計測を行い,ウミヘビ類の視覚の海棲適応を考察した。ウミヘビの生息域に見られるサンゴ礁,砂地,泥池といった様々な地質からなる光環境の特徴を比較した。その結果,各環境の光波長の特徴が多様であることや,外洋は海底からの光の反射がないため暗くなることなどが,データとして表すことができた。
これらの結果をまとめ,国内と海外で開催された爬虫類両生類学会において発表した。特に,ニュージーランドで開催されたWCH9では,ウミヘビ研究のセッションが開催され,ウミヘビの視覚の進化を生態ごとにまとめた研究として,他のウミヘビ研究者に注目された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Fluorescence emission in a marine snake2019

    • 著者名/発表者名
      SEIKO Takashi、TERAI Yohey
    • 雑誌名

      Galaxea, Journal of Coral Reef Studies

      巻: 21 ページ: 7~8

    • DOI

      10.3755/galaxea.21.1_7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Visual Adaptation of Full and Semi Aquatic Sea Snakes2020

    • 著者名/発表者名
      Takashi Seiko, Takushi Kishida, Mamoru Toda, Yoko Satta, Yohey Terai.
    • 学会等名
      World Congress of Herpetology (WCH9)
    • 国際学会
  • [学会発表] ウミヘビの視覚の海棲環境への適応2019

    • 著者名/発表者名
      清古貴, 岸田拓士, 戸田守, 颯田葉子, 寺井洋平.
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会第58回大会

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公開日: 2021-01-27  

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