多くの陸上植物は外部刺激の方向に応じて、器官を曲げたりねじったりする。このうち屈曲については精力的に研究が進められ詳細な分子レベルの機構まで明らかにされつつあるが、ねじれ運動についてはいまだに不明な点が多く残されている。
本研究では、横から照射された光に応じて、光源の方向に葉身の向軸側を向けるようにねじれる、葉柄の運動のメカニズムの解明を目的とした。前年度まで、研究代表者が確立した多個体実験系を用いて、この運動の分子的な基盤を探ってきた。
本年度は、これまでの研究成果を取りまとめ、葉柄のねじれの測定に関する論文を出版した。また、葉の光応答における植物ホルモンのオーキシンの挙動や、葉柄運動における葉身の必要性について追加解析を行なった。
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