研究課題/領域番号 |
18J20197
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀田 将史 北海道大学, 医学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 時間情報処理 / 感覚 / 運動 / 大脳基底核 / 小脳 |
研究実績の概要 |
昨年度はこれまで行ってきた、大脳基底核線条体におけるリズム知覚に関わるニューロン活動について調べた研究の成果の一部をまとめた論文が英語論文誌に掲載された。 また、その研究の続きである、大脳基底核と小脳の機能の違いを感覚・運動成分を分離することで明らかにすることを目指す研究(申請書記載の研究Ⅰ)についても、昨年度中にほぼデータを取り終え、さらにインパクトの高い英語論文誌に投稿できるよう準備を進めている。さらに、リズム知覚に関与するニューロン活動の効果器特異性についての研究(申請書記載の研究Ⅱ)に関しても、昨年度のうちに大脳基底核と小脳の両部位からデータが取れ始め、本年度も実験を継続的に行いデータを増やして行くとともに、論文執筆に向け解析なども進めて行く必要がある。線条体における周期的なニューロン活動の生成機構を探るために活動記録中のニューロンに局所的な薬剤注入を行うことにより調べる研究(申請書記載の研究Ⅲ)については昨年度中に薬剤注入用の記録電極(インジェクトロード)の作成などの準備は行った。 これらの研究より得られた結果はTiming research forum 2 (メキシコ、ケレタロ)、北米神経科学大会(シカゴ)の2つの国際学会で研究成果の発表を行った。前者は時間研究をリードする世界中の研究者と密に議論を、後者では大脳基底核や小脳の有名な研究者と議論を行うことができ、現在の問題や今後の研究方針などについて非常に参考になる知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験については記録状態や動物の状態によって大きく影響され、申請書記載の研究Ⅱについて大脳基底核と小脳の両部位から興味深いデータを得ることまで進められているが、当初予定していたよりはデータが集められていない。解析についても、現時点ではデータが十分ではないため、今後得られるデータによってはさらなる解析も必要になってくると考えられる。また、申請書記載の研究Ⅲについては、実験手技は会得できているが、現時点ではまだ実験を始められていないので、本年度、実験に取り組んでいく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、現在準備中の論文の掲載を目指すとともに、現在進めている研究(申請書記載の研究Ⅱ)に関して実験を継続的に行い、学会発表を通して論文執筆に向けて準備を進める。それらと並行して、新たな実験(申請書記載の研究Ⅲ)にも着手し、本年度中にデータを取り始めるよう進めていく。
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