研究課題/領域番号 |
18J20438
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
AAMES Jimmy 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | Charles S. Peirce / 記号論 / 形而上学 / 科学哲学 / 物理学の哲学 |
研究実績の概要 |
・チャールズ・S・パースとダニエル・デネットの哲学を足掛かりにパターンについて考察し,パターンについての一般理論を提示した上で,それを現代の科学哲学における創発の問題に応用するという研究を行った.創発をめぐる現代の議論では,「認識論的創発」と「存在論的創発」の区別がよくなされる.私はデネットのリアル・パターンの理論と,パースによる一般者の様相的分析を土台にして,認識論的でも存在論的もない第三の創発形態として「リアル・パターン創発」(RP創発)の概念を提示し,その概略を描いた.また,RP創発と,関連するマーク・A・ベダウの「弱い創発」の概念とを比較することによって,RPの創発の特徴をさらに明確化することを試みた.以上の研究成果は,2019年6月に金沢大学で開催された科学基礎論学会講演会で発表し,雑誌European Journal of Pragmatism and American Philosophyの「プラグマティズムと創発の理論」に関する特集号において刊行した.
・パースの最初期の著作である「新しいカテゴリー表」における被関係項の概念についてのこれまでの研究の成果をまとめ,2019年6月に京都大学で開催されたアメリカ哲学フォーラム第6回大会において発表した.
・パースの著作に登場する二種類の抽象の概念である「前切」と「実体化的抽象化」について,概念形成の観点から考察した.特に実体化的抽象化が数学における概念創造にどのようにかかわっているのかについて検討を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RP創発についての研究の成果を発表し,またパースのカテゴリー論や抽象理論についての検討も進んでいるので,おおむね順調に研究が進展しているとおもわれる.
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今後の研究の推進方策 |
・パースの最初期の著作である「新しいカテゴリー表」における被関係項の概念についての研究成果の論文化を進める. ・パースの著作に登場する二種類の抽象の概念である「前切」と「実体化的抽象化」についての考察結果を,オンラインセミナーで発表する. ・パースの一般者についての理論を土台にした,パターン性と創発についてのこれまでの研究の成果を博士論文にまとめる.
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