研究課題/領域番号 |
18J20708
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉崎 昂 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 火星 / 地球 / 惑星 / 宇宙化学 / マントル / 金属核 / 天体探査 / 隕石 |
研究実績の概要 |
昨年度末から今年度にかけて,(1) 火星マントル,金属核,全球の化学組成の制約,(2) 火星の内部構造の天体物理学的モデリング,(3) 火星と地球の形成史の解明に取り組んだ。その成果として,(1) 太陽系星雲内での元素分別の結果,火星は地球と同程度の難揮発性元素量を持ち,比較的揮発性元素に富むこと,(2) 火星の金属核が全球質量に占める割合は地球に比べ小さいこと,(3) 火星の内部熱の大半が,放射性元素の放射壊変熱に由来し,集積熱や分化熱はほとんど失われていることを明らかにした。これらの成果は,これまで不明な点が多く残されていた火星の物理化学的特性や,その形成進化史を新たに制約するものである。本研究により得られた結果を今後の火星探査ミッションの結果と比較することで,更に火星の現在や過去の姿を制約できると期待される。以上の成果を原著論文としてまとめ,国際誌にて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年程度かかると見込んでいた火星の化学組成・内部構造のモデル化を半年程度で完了することができ,年度内に国際誌に原著論文として公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
最新の理論・実験・分析・観測による研究成果に基づき,地球の化学組成モデルの再検討を行う。その結果を,前年度(2019年度)に確立した火星の化学組成モデルと組み合わせることで,地球型惑星の形成および進化過程に関する新たな知見を得ることを試みる。
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