最終年度は、昨年度まで行っていた量子ウォークの研究から得られた知見を基に、周期駆動非線形系における定常状態の安定性を解析した。トポロジカルに非自明な時間周期駆動系に非線形効果を徐々に取り入れ、自己無撞着方程式を数値的に解く事でトポロジカルエッジ状態と連続的に繋がる定常状態を得た。同様の物理系においてソリトンのダイナミクスはこれまで議論されてきたが、トポロジカルエッジ状態と直接的に関係する定常状態の存在は本研究で初めて明らかになった。 また、得られた定常状態の周りで方程式を線形化し、揺らぎの時間発展から定常状態の安定性を議論した。その結果、トポロジカルエッジ状態に由来する定常状態は不安定である事がわかった。さらに、系にランダムポテンシャルが存在する場合の解析も行い、パラメータ空間中のある領域において、ランダムネスにより定常状態の不安定性が抑えられる事を示した。
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