研究課題/領域番号 |
18J20916
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 奈々 慶應義塾大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
キーワード | 社会行動 / 性差 / 内分泌 / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
本年度の研究進捗状況について,期待通り研究が進展した。初年度に計画していた血液サンプルによるコルチコステロンの計測系の立ち上げを麻布大学伴侶動物研究室との共同研究により完了し,次年度以降の行動実験へ問題なく適用できることが確認された。さらに,次年度に実施する予定である,バソトシン投与による行動薬理実験の予備実験を完了した。本予備実験により,つがいに対する行動薬理実験の投薬手法及び行動計測系の立ち上げが完了した。本計測系を用いて,次年度にはつがい個体間の親和交渉(羽繕い行動)に対する行動薬理実験を行い,親和行動の性差ならびにそのメカニズムの解明に挑む予定である。 2018年9月には,ドイツ研究機関との共同開催により行われたBrain & Evolution 2018 German-Japanese Summer School on comparative neuroscience of brain evolution に参加し,神経科学に関する知見を深めた。本年度の研究結果は,日本社会心理学会第59回大会ワークショップ(大阪府,追手門学院大学,2018年8月)および日本動物行動学会第37回大会(京都大学,2018年9月)において報告を行った。また,本年度の研究成果は次年度において開催される国際学会であるbehaviour2019(シカゴ)において報告予定であり,大会には本年度の研究内容について受理済である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の研究進捗状況について,期待通り研究が進展した。初年度に計画していた血液サンプルによるコルチコステロンの計測系の立ち上げを麻布大学伴侶動物研究室との共同研究により完了し,次年度以降の行動実験へ問題なく適用できることが確認された。さらに,次年度に実施する予定である,バソトシン投与による行動薬理実験の予備実験を完了した。本予備実験により,つがいに対する行動薬理実験の投薬手法及び行動計測系の立ち上げが完了した。2018年9月には,ドイツ研究機関との共同開催により行われたBrain & Evolution 2018 German-Japanese Summer School on comparative neuroscience of brain evolution に参加し,神経科学に関する知見を深めた。本年度の研究結果は,日本社会心理学会第59回大会ワークショップ(大阪府,追手門学院大学,2018年8月)および日本動物行動学会第37回大会(京都大学,2018年9月)において報告を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として,本年度に立ち上げを行った血液サンプルによるコルチコステロンの計測系および行動計測系を活用し,若年期個体間における優劣関係の形成場面における服従行動の性差に関する本実験を行う予定である。本実験に際し,血中コルチコステロンを抑制する薬剤について複数種類が存在するため,予備実験を行い適切な薬剤を選択する予定である。 つがい個体間の親和交渉(羽繕い行動)に対する行動薬理実験の予備実験の結果を活用し,今後は双方向的なコミュニケーションとして行動解析を行うための方法論を取り入れる予定である。また,バソトシン投薬条件に加え,バソトシン受容体に対する阻害薬を投与した実験を計画している。本実験に際し,適切な阻害薬の選択ならびに投薬濃度の設定のための予備実験を行う予定である。
|