現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度までに、超分子質量分析・溶液散乱法・核磁気共鳴法を利用し、リン酸化状態とヌクレオチド状態の違いがもたらすKaiCの構造変化を捉え、Kaiタンパク質間の相互作用様式を明らかにすることに成功していた。今年度は本研究成果をもとにさらに詳細なデータを加え、KaiCとKaiAの相互作用様式を解明した論文 (Life Sci Alliance. 2019, 3, 201900368.)およびKaiBとKaiCの相互作用による概日リズムの制御を明らかとした論文 (Int J Mol Sci. 2019, 13, 4550.) の2報を誌上発表した。 こうした成果に加えて、ゲル濾過クロマトグラフィーと溶液散乱を組み合わせることで、Kaiタンパク質複合体の全体構造を捉えるとともにそれを構成する各サブユニットの構造情報を抽出することに成功した。これまでのところサブユニット交換の実態は依然として捉えられていないものの、KaiC 6量体の不均一なリン酸化状態を模倣する実験系の構築に成功し、KaiC分子に対するKaiAやKaiBとの相互作用の実態も明らかにしつつある。 以上を総合して、研究が順調に研究は進展しているものと判断した。
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