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2020 年度 実績報告書

沿岸過程を考慮した次世代波浪推算モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18J21135
研究機関東京大学

研究代表者

松葉 義直  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワード長周期波 / 遡上 / 拘束波 / 補足波 / 砕波
研究実績の概要

本年度では,沿岸部で特に発達する長周期波が高波浪時の遡上に対しどのような影響をもたらすのかについて,2019年台風15・19号来襲時の西湘海岸における波浪観測・数値再現と,茨城県波崎海岸において行った沿岸波浪および遡上の長期観測結果をもとに分析を進めた.得られた主な成果は以下のとおりである.
1.西湘海岸では,2019年台風19号来襲後に最大で13 mの高さの遡上痕跡高が観測され,台風15号来襲後においても最大で7.5 mほどであった.また,波浪観測データからは,台風19号来襲時には波高8 m以上の入射波と波高2 m以上の長周期波が確認され,双方の遡上への寄与が示唆された.数値モデルを用いた分析からは,台風15号のケースでは最大遡上は短周期波の屈折による集中によって引き起こされた一方,台風19号のケースでは,沿岸方向に捕捉された長周期波の局所的集中が最大遡上を引き起こした可能性が示唆された.特に長周期波による水位変動は短周期波の砕波減衰にも影響し,長周期波の増幅箇所で短周期波の増幅が生じていることがわかった.
2.波崎海岸での長期観測からは,幅広い海象条件での遡上データを得ることが出来た.長周期波は主に拘束波として発達したことが示唆された一方,その長周期波は砕波帯内で顕著に減衰していることがわかった.特にこの減衰は周波数に依存しており,気象擾乱時にはより周期の長い長周期波が大きな遡上を引き起こしうることがわかった.また,拘束波の発達に影響する沖波の周波数分散および方向分散の双方の長周期波遡上への影響を初めて実海岸で検証した.結果として,それら二つのパラメータの考慮により長周期波遡上のより正確な予測が可能になることが示唆された.

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Extreme wave runup at the Seisho Coast during Typhoons Faxai and Hagibis in 20192021

    • 著者名/発表者名
      Matsuba Yoshinao、Shimozono Takenori、Tajima Yoshimitsu
    • 雑誌名

      Coastal Engineering

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.coastaleng.2021.103899

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Infragravity wave dynamics on Seisho Coast during Typhoon Lan in 20172020

    • 著者名/発表者名
      Matsuba Yoshinao、Shimozono Takenori、Sato Shinji
    • 雑誌名

      Coastal Engineering Journal

      巻: 62 ページ: 299~316

    • DOI

      10.1080/21664250.2020.1753901

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] A NUMERICAL INVESTIGATION OF WAVE RUNUP DURING EXTREME TYPHOONS IN 20192021

    • 著者名/発表者名
      Matsuba Yoshinao, Shimozono Takenori, Tajima Yoshimitsu
    • 学会等名
      Coastal Dynamics 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] 沖波スペクトルに基づく長周期波遡上の予測手法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      松葉義直,下園武範
    • 学会等名
      第68回海岸工学講演会

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公開日: 2021-12-27  

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