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2019 年度 実績報告書

一次繊毛形成を制御する新規Rabの探索と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18J21195
研究機関東北大学

研究代表者

小口 舞  東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワード一次繊毛形成 / Rab34
研究実績の概要

昨年度までのRabファミリーの網羅的なスクリーニングにより、一次繊毛形成を制御する新規RabとしてRab34を同定している。一次繊毛形成において、Rab34と共に働くエフェクター分子の解析を進めるため、本年度はまず、Rab34のエフェクター結合特異性を決める領域の探索を行った。Rabは一般的に、スイッチII領域の特異的なアミノ酸配列により特異的なエフェクター分子を認識すると考えられている。そこで、Rab34のスイッチII領域をRab1AのスイッチII領域に置換した変異体Rab34(S1A)を作製し、ノックアウト-レスキュー実験を行ったところ、Rab34(S1A)変異体でも一次繊毛形成の阻害がレスキューされた。そこで次に、Rab34のスイッチII領域以外の領域の関与について検討を行った。Rab34は他のRabアイソフォームと比較してN末端側がかなり長いことから、N末端側の49アミノ酸を削った変異体Rab34(ΔN)を作製した。Rab34(ΔN)変異体を用いてノックアウト-レスキュー実験を行ったところ、Rab34のノックアウトによる一次繊毛形成阻害をレスキューすることができなかった。すなわち、Rab34のN末端の特異性が一次繊毛形成におけるRab34の特異的なエフェクター分子の認識に必要であると考えられた。以上の結果から、Rab34はスイッチII領域ではなく、N末端側の特異的な領域を介して特異的なエフェクター分子の認識を行っている可能性が強く示唆された。現在、これらの研究結果をまとめた論文を筆頭著者として国際誌に投稿している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

一次繊毛形成を制御する新規Rabとして昨年度までに同定したRab34の機能解析を行うため、Rab34のエフェクター結合特異性を決める領域の探索を行った。一般的に、RabはスイッチIIと呼ばれる領域の特異的なアミノ酸配列によりエフェクター分子を認識すると考えられている。そこでまず、Rab34のスイッチII領域をRab1AのスイッチII領域に置き換えた変異体(S1A)を作製し、ノックアウト・レスキュー実験を行った。その結果、予想外なことに、Rab34(S1A)変異体でも一次繊毛形成の阻害がレスキューされた。すなわち、一次繊毛形成におけるRab34のエフェクター認識部位は、他の多くのRabとは異なり、スイッチII領域以外に存在すると考えられた。次に、Rab34はRabファミリーの中でもN末端側が例外的に長いことに着目し、N末端側を削った変異体と、スイッチI領域に特異的なアミノ酸を置換した変異体を作製した。これらの変異体を用いて同様なレスキュー実験を行ったところ、いずれの変異体でもレスキュー効果が見られなかった。従って、Rab34はスイッチII領域ではなく、他のRabには存在しないN末端側のユニークな配列を介して、特異的なエフェクター分子の認識を行っている可能性が強く示唆される。このようなエフェクター分子の認識機構はこれまでに報告が無く、期待以上の進展があったと判断できる。

今後の研究の推進方策

これまでの解析から、Rab34は一次繊毛形成において、スイッチII領域ではなくN末端側の特異的な領域を介して特異的なエフェクター分子の認識を行っている可能性が強く示唆された。また、既知のRab34結合タンパク質はスイッチll領域を介してRab34と結合していると考えられることから、引き続きN末端側を介してRab34と結合する新規結合タンパク質の探索を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 一次繊毛形成を制御する低分子量Gタンパク質Rabの網羅的解析2019

    • 著者名/発表者名
      小口舞、奥山幸生、本間悠太、福田光則
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
  • [学会発表] 一次繊毛形成に関与するRabの網羅的スクリーニング2019

    • 著者名/発表者名
      奥山幸生、小口舞、本間悠太、福田光則
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部 第85回例会

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公開日: 2021-01-27  

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