現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マイクロマシンの遊泳と拡散を理解するために「熱スイマーの確率流解析」と「状態サイクル解析」の研究を行った。「熱スイマーの確率流解析」では熱スイマーの遊泳速度と確率流束の関係式を導き、確率的なマイクロマシンでの帆立貝定理の表現の一つとして提案した。これはマイクロマシンの駆動原理に大きく迫る成果と言える。「状態サイクル解析」ではマイクロマシンの新しい捉え方として、状態サイクル量を提案し、それを捉えられるモデルを提案している。この試みによってこれまでと異なるマイクロマシンの理解が広がり、新しい研究の方向性が示されている。今後、本格的な解析を進めていくが、現時点にてマイクロマシンの理解に大きく進捗があったと言える。 上記に示してきた成果について、論文発表や学会発表を行った。具体的には、熱スイマーの状態サイクルに関して[I. Sou, Y. Hosaka, K. Yasuda, and S. Komura, Phys. Rev. E 100, 022607 (10pp) (2019)]を発表した。状態サイクルに関してはActive Matter Workshop 2020等で口頭発表した。また、アクティブマター研究者が多く参加した国際ワークショップSoft Matter Out of Equilibrium: from driven to active systemsに参加し、本課題の成果について発表を行った。また、マイクロマシンの相互作用に関して[M. Kuroda, K. Yasuda, and S. Komura, J. Phys. Soc. Jpn. 88, 054804 (6pp) (2019).]が論文誌に掲載された。
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