研究課題
本研究は、高齢者の血中C1q濃度の低下に最低限必要なレジスタンス運動の強度を検討することを目的とした。60-80歳の高齢女性を対象にコントロール群(CON群)、高強度レジスタンス運動群(High-RT群)、低強度レジスタンス運動群(Low-RT群)の3群にランダムに分割し、介入前後に採血から血中C1q濃度、MRIおよびMRS法による体組成、超音波法による筋厚および筋輝度(筋の線維化および脂肪化を反映する指標)、MVCを測定した。High-RT群は、最大挙上重量(1RM)の70%の運動強度で、レッグエクステンションおよびレッグカールを10回×3セット、週3日、12週間実施した。Low-RT群は、水の抵抗を利用した水中運動を週3日、12週間実施した。筋細胞外脂肪(EMCL)の変化量は、3群間で有意な変動が認められなかった。大腿前部の筋厚の変化量は、CON群と比較してHigh-RT群およびLow-RT群で有意に増大し、大腿後部の筋厚の変化量は、CON群と比較してHigh-RT群で有意に増大した。また、CON群と比較してHigh-RT群では、大腿直筋および外側広筋の筋輝度の変化量が有意に低下し、筋横断面積、MVCの変化量は有意に増大したが、Low-RT群では有意な変動が認められなかった。さらに、血中C1q濃度の変化量は、CON群と比較してHigh-RT群およびLow-RT群で有意に低下した。これらの結果から、高齢者における高強度および低強度の習慣的なレジスタンス運動は血中C1q濃度を低下させるが、筋質(筋輝度・筋横断面積)および筋力(MVC)の改善には、高強度運動が必要となる可能性が示唆された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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