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2019 年度 実績報告書

超伝導プロセッサ向けメモリシステムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J21274
研究機関九州大学

研究代表者

石田 浩貴  九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワード単一磁束量子回路 / SFQ / メモリ・アーキテクチャ / 超伝導 / ジョセフソン接合 / プロセッサ・アーキテクチャ
研究実績の概要

今年度は,本研究で提案する超伝導単一磁束量子(Single flux quantum: SFQ)メモリ(以下,本メモリとする)を搭載したプロセッサのプロトタイプチップの修正/動作実証を実施した.また,本メモリをオンチップメモリの基本コンポーネントとして採用するディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network: DNN)アクセラレータのアーキテクチャ検討を実施した.
プロトタイプチップの修正/動作実証:昨年度設計したプロトタイプチップは,本メモリを基本とする命令・データメモリの一部が動作せず,完全動作には至らなかった.それを踏まえ,今年度はまず,より詳細に動作確認可能なメモリチップの設計を行い,動作不良の原因解明に努めた.その結果,シミュレーション上では問題なく動作するシフトレジスタの循環部分が正常動作していないことが明らかになった.問題箇所を修正し,再度試作したチップにおいては,32 GHzでの正常動作を確認した.
DNNアクセラレータのアーキテクチャ検討:プロトタイプチップの動作実証により,本メモリの実現可能性は明らかになった.次に,アプリケーション実行時の電力性能評価を実施すべく,対象とするアプリケーション,ならびに,SFQプロセッサ・アーキテクチャ検討を実施した.過去にSFQ回路による積算器,加算器の約50 GHzでの動作実証が確認されているおり,ほとんどの計算は積和演算で構成されるDNNにおいてSFQ回路の高周波数動作を活かせると考え,DNNアクセラレータへの応用を考えた.SFQ回路の特徴を基に,DNNアクセラレータのコンポーネントである演算器やデータフロー,ネットワーク,本メモリを基本とするオンチップメモリのアーキテクチャを検討し,現在は,提案するDNNアクセラレータの電力性能を評価環境構築を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はまず,本研究で提案するシフトレジスタ型メモリを用いたプロセッサの動作実証に成功し,その実現可能性を明らかにした.そして本メモリを用いたSFQコンピューティング・システムの性能を評価すべく,応用先のDNNアクセラレータの基本コンポーネント設計をすでに完了させた.来年度は現在構築中である評価環境を完成させ,それらを用いたボトルネック解析,ならびに,さらなるアーキテクチャ改善によりシステム全体の電力性能評価を実施できると考えられる.したがって概ね順調に進展していると自己評価する.

今後の研究の推進方策

来年度はまず,現在構築中である評価環境を完成させる.その後,それらを用いたボトルネック解析,ならびに,さらなるアーキテクチャ改善によりSFQコンピューティング・システム全体の電力性能評価を実施し,そのポテンシャルを明らかにする.その後,国際学会にて発表し,さらに博士論文として研究をまとめる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 32 GHz 6.5 mW Gate-Level-Pipelined 4-bit Processor using Superconductor Single-Flux-Quantum Logic2020

    • 著者名/発表者名
      Koki Ishida1, Masamitsu Tanaka, Ikki Nagaoka, Takatsugu Ono, Satoshi Kawakami, Teruo Tanimoto, Akira Fujimaki, Koji Inoue
    • 学会等名
      2020 Symposium on VLSI Circuits
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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