研究課題/領域番号 |
18J21508
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
天笠 志保 東京医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
キーワード | 身体活動 / 座位行動 / 運動 / 高齢者 / 認知機能 / 身体機能 / 疫学 / 加速度計 |
研究実績の概要 |
本研究は農村部在住高齢者において、加速度計を用いて座位行動・身体活動を評価し、生物学的指標、認知機能、身体機能との関連を検討することである。特に、低強度身体活動の効果に着目した検討を行う。研究は当初の予定通り、おおむね順調に進展している。 研究計画2年目として、2017年度に実施した十日町いきいき健康調査のデータ分析・論文化を進めた。座位行動・身体活動と健康アウトカム(認知機能)に関する知見をまとめ、国際学会での発表および論文化を行った。身体活動と認知機能(精神状態短時間検査日本版:MMSE-J)に関する知見を第66回米国スポーツ医学会学術総会にて報告し、その論文が国際誌へ採択された。Compositional data analysisを用いて活動の相互依存性を考慮した結果、座位行動や低強度身体活動ではなく、中高強度身体活動が認知機能と関連することを明らかにした。低強度ではなく、3METs以上の中高強度身体活動の促進が認知機能低下予防に資する可能性を示唆した。また、頭部MRI検査(脳海馬傍回の萎縮度等)のデータベース化を進めた。座位行動・身体活動と海馬の萎縮度との関連については現在論文を作成中である。研究は予定通り進行しており、2020年度は座位行動・身体活動と身体機能との関連について分析および論文化を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目(2019年度)の計画は、身体活動と生物学的指標、認知機能、身体機能に関する知見をまとめ、当該研究分野の学術集会での報告を行うとともに、適切な学術雑誌へ論文を投稿することであった。身体活動と認知機能(精神状態短時間検査日本版:MMSE-J)との関連をまとめた論文が国際誌に採択された。また、①身体活動と認知機能(脳海馬傍回の萎縮度等)との関連および②身体活動と身体機能との関連について、論文化を進めており、投稿する直前である。以上により、概ね順調に研究が進んでいると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目に引き続き、座位行動・身体活動と健康アウトカムに関する知見をまとめ、当該研究分野の学術集会での報告を行うとともに、適切な学術雑誌へ論文を投稿する。 本年度は追跡調査を行う予定であったが、新型コロナウイルスの流行により延期する予定である。体力測定や医学問診など会場に集まって行う調査はできないが、郵送にてアンケート調査を実施する予定である。
|