研究課題
ペロブスカイト型太陽電池で用いられるペロブスカイト層は溶液工程をすることにより、Polycrystallineである。そのGrain Boundaryに太陽電池作動時に生成されたExcitonがNon-radiative recombinationすることで太陽電池の効率を低下したり、Grain Boundaryに散在するDefectからペロブスカイト層の劣化が始まったりすることがデバイス安定性に悪影響を与えることが知られている。したがって、ペロブスカイトのGrain Boundary Engineeringは更なる高効率および安定したペロブスカイト太陽電池の開発には必要不可欠である。今年度私はこのペロブスカイト層のGrain Boundary Engineeringとして半導体単層カーボンナノチューブを利用することを考案した.ペロブスカイト成長後に表面をPassivationする方法は既に報告されていたが、成長前にAdditiveを利用する研究はあまり報告されてなく、Additiveとして使用されるポリマーは低い電気伝導度を持つことからデバイスの高効率化に限界があった。そこで私は、既に水溶液で界面活性剤と共に分散されていた半導体単層カーボンナノチューブをペロブスカイト溶液に微量(~ 2wt %)を添加し、ペロブスカイト結晶を作ることで、より均一かつ電荷輸送に優れたペロブスカイト層を作製することができた.
2: おおむね順調に進展している
成功的に半導体単層カーボンナノチューブをPost treatmentを用いて分離することができた。それをペロブスカイト結晶成長時に添加することによってより均一な結晶が得られ、19%を超える高効率ペロブスカイト太陽電池を作製することができた。しかし、炭素源ガスの多様化や合金触媒によるカーボンナノチューブ成長時に物性をコントロールすることは困難であった。物性がコントロールできてもイールドが少なかったのでデバイス作製には向いてないと判断した。
Post treatmentをした半導体単層カーボンナノチューブを利用することに集中する。現在、分離した半導体単層カーボンナノチューブは界面活性剤を多数含んでおり、半導体カーボンナノチューブの純度がデバイス作動効率に影響することも確認できた。これからはより高純度かつ界面活性剤を最小化できる分離方法の開発やそれを成膜する技術にフォーカスし、さらなる高効率のペロブスカイト型太陽電池の作製を目標とする。
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