研究実績の概要 |
まず前年度に提案したモニタリング問題のためのアルゴリズムの高速化のために、アルゴリズムの開発及びツール実装を行った。国際会議予稿集論文として今年度発表した論文[Waga & Andre NFM'19]はこの方向の成果であり、文字列探索における「スキッピング」の技術を パラメタ付き時間パターンマッチング問題に応用したものである。また、モニタリング問題の更なる拡張のために、アルゴリズムの開発及びツール実装を行った。国際会議予稿集論文として今年度発表した論文 [Waga, Andre, & Hasuo, CAV'19] [Waga, FORMATS'19] はこの方向の成果であり、データや意味論を代数的に一般化したものである。特に、実時間システムの主要国際会議で発表された後者の論文においては、危険・安全の二値を出力する代わりに危険度合いを出力する、量的意味論を半環を用いて一般化した。本研究は国際会議 FORMATS 2019 において Oded Maler賞 (最優秀論文賞) を受賞した。
また、オートマトン学習を用いたテスト手法についてもアルゴリズムの開発や要素技術の研究を行った。国際会議予稿集論文として今年度採択された論文[Waga HSCC'20]においては物理情報システムについての反例生成問題を、オートマトン学習を経由して解く手法について研究を行った。国際会議予稿集論文として今年度発表または採択された論文[Okudono, Waga, Sekiyama, & Hasuo, AAAI'20] [Gutierrez, Okudono, Waga, & Hasuo, GECCO'20]においては重みつきオートマトンへの近似を介した、回帰型ニューラルネットワークのテストについての要素技術の研究を行った。
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