研究課題/領域番号 |
18J22704
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
宮川 真 東京女子医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 放射線治療(光子) / 肺 / Computed Tomography / Ventilation imaging / 肺構造模擬ファントム / Deformable Image Registration |
研究実績の概要 |
本申請者は呼吸に関わる肺内の高機能領域を避けて照射することで、主たる呼吸機能を担っている領域を保護することで副作用を減らすFunctional radiotherapy(F-RT)という技術に着目し、F-RTの中核を担うCT肺換気機能イメージング(CTVI)に関する研究を行ってきた。 昨年度は、そのCTVIを臨床利用に展開するために、①品質管理(Quality Assurance:QA)肺構造模擬ファントムの設計・開発、②Deformable Image Registration (DIR)パラメータがCTVIに及ぼす影響、③各病院に導入されている市販のDIRソフトウェアによるCTVIの比較、の3点の研究を行った。 ①臨床で利用するためには、どれだけ正しく肺換気機能が表せているかが重要となるため、CTVIの精度評価が必要となるため、精度検証用ファントムの利用が良いと考え、本ファントムを開発した。これらの結果は、Medical Physics(Impact Factor: 2.617)に投稿し、採択された。 ②CTVIは、Computed Tomography(CT)画像にDIRと呼ばれる画像処理技術を用いて、肺の局所体積変化から肺換気機能画像を作成する技術である。DIRによる変形精度がCTVIに直接影響するのか、DIRの変形パラメータの違いが影響するのかを本ファントムを用いて、評価した。これらの結果はPhysica Medica(Impact Factor:2.24)に投稿し、採択された。 ③CTVIを臨床利用に展開するために、各病院で利用される市販のDIRソフトウェア(Velocity AI、MIM Maestro、RayStation)で作成されるCTVIを比較した。この結果は、第32回高精度放射線外部照射部会学術大会にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の核となる、CTVI精度検証用ファントムを開発し、その論文が採択された。また、DIRパラメータがCTVIに及ぼす影響についても論文化済みであるため。
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今後の研究の推進方策 |
①本ファントムを用いて、市販のDIRソフトウェアから作成したCTVIを比較したが、精度に違いが生じたことから、我々の方法の妥当性を評価するために、Landmarkの数、位置を改善する。 ②来年度実施する予定である、フォローアップ評価及び、治療中の肺換気変化を評価するためのシステムの構想及び、開発を行う。
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