今後の研究の推進方策 |
今までの結果を基づいて,Oxa-lipid prodrugの分子デザインにより,ミセルとファイバーの構造が形成できた.その上、headgroupをlysineで修飾して、ベシクルの集合体構造の形成も工夫してる。つづけて,OxaprozinはRAW細胞のCOX経路を遮断し,抗炎症効果を発揮する.設計したPro-Drug集合体各種を細胞系に添加し,その薬理活性と細胞への毒性を評価する. 薬理活性に関しては、薬物放出と薬物取り込み効率は,治療効果を評価する上で重要な2つの要因である.ここでは,疎水化により分子あたりの薬効(drug activity/molecule)を向上させるための分子設計ならびに集合体設計を行う.異なるPro-Drug 集合体におけるin vitroでの薬剤放出効率を,分光学的手法やHPLC分析法を用いて測定する.細胞への薬物内在化のメカニズムについては,FRETによる検討を実施する.また, in vivoでの評価では,Oxaprozin自身の持つ特殊な蛍光特性により,集合体の位置の特定及び追跡が可能であるということを活用する.この蛍光特性はOxaprozinの挙動を追跡し,細胞膜と自己集合体がどのように橋渡しされているかをモニター可能であると予想している. 細胞への毒性評価はMTTアッセイにより評価する。また,今まで,集合体の物理化学的な特性により、細胞死を誘導する効果が報告されている。そこで,Oxa-lipid prodrugのデザインにより,各種構造による細胞死への誘導効果も検討する。以上評価の結果を基づいて、各種集合体の細胞機能への影響を解析する。
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