研究課題/領域番号 |
18J23133
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
多田 一風太 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | メタボロミクス / 質量分析 / デコンボリューション / AIF |
研究実績の概要 |
データ非依存的収集(DIA)質量分析に適したデータ解析手法として、新たなスペクトル解析手法(CorrDec:Correlation-based deconvolution)を開発した。CorrDecは、サンプル間の変動や普遍性に基づいた解析手法である。従来の方法に比べ、(1) 完全に共溶出した化合物でも分離でき、(2) 低濃度の化合物であっても解析できる。本年度は、デモデータを用いてパラメーターを検討し、アルゴリズムを最適化した。CorrDecを活用することによって、これまで解析が困難であったDIAデータの1つ、All Ion Fragmentation (AIF)データを効率的に解析できるようになった。 正確なデータ解析をするため、サンプル間の情報を集計(アライメント)する方法を検討し、マニュアルでアライメント結果を修正するプログラムを開発した。アライメントの修正は従来大きな負担であり、大規模データでは迅速・正確な修正が困難であった。当該年度に開発したアライメント修正方法は、全サンプルのデータを一括で修正できるため、操作ミスを抑えて作業時間を減少させる。効率の良いアライメント修正機能を開発したことにより、大規模メタボロミクスデータ解析の基盤を整えることができた。 本年度の研究実績であるCorrDec及びアライメント修正機能は、メタボロミクス解析ソフトウェアであるMS-DIALに実装した。加えて、AIFデータを解析できるようにMS-DIALを最適化し、AIFユーザーが広く本研究実績を活用できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画の通り、本研究課題において最も重要である解析プログラムCorrDecを開発し、ユーザーが使えるようにソフトウェアとして公開することができた。また、アライメント結果をマニュアルで修正するプログラムを作成し、実際に解析に用いることができた。上記の通り、本研究はおおむね実施計画の通り順調に進展している。 一方で、CorrDecに関する論文を投稿したがリジェクトされてしまったため、今後はその修正が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度開発したCorrDecを既存のツールと比較し、必要に応じて改良を加えていく。また、メタボロミクス解析には必須である化合物のライブラリを作成する。加えて、当該ライブラリを管理するためのソフトウェアも新たに開発する。 ライブラリ作成方法についてまとめ、論文として報告することを目指す。また、一度リジェクトされてしまったCorrDecに関する論文も、新たにデータをまとめ直して再投稿する。
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