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2020 年度 実績報告書

ほ乳類・鳥類の酸性キチナーゼ (Chia) における機能特性と食性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J23382
研究機関工学院大学

研究代表者

田畑 絵理  工学院大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワード酸性キチナーゼ / Chia / キチン / 食性 / 家畜飼料 / 昆虫食
研究実績の概要

キチンは、N -アセチル-D-グルコサミンの重合体で、昆虫、甲殻類、真菌類などの多様な生物の主要な構成成分である。昆虫などのキチン含有生物の家畜の飼料化が提案されているが、キチンの難消化性への懸念から、実用化には至っていない。これまでに、酸性キチナーゼ(Chia)が、雑食性動物の胃で大量に発現し、胃と腸の条件でキチンを分解すること、また、肉食性、草食性動物における Chia のキチン分解性の低下を明らかにした。太古のほ乳類祖先は、小型で食虫性であったが、恐竜の絶滅後、ほ乳類の食性は多様化したと考えられている。そこで、本研究では食性の変化に伴う Chia の変化を明らかにすることを目指した。
本年度は、肉食性動物の Chia のキチナーゼ活性の活性低下の原因解明とその分子進化の解明に取り組んだ。イヌ(肉食性動物)の Chia のキチナーゼ活性低下原因の解明のため、活性の高いマウス(雑食性動物)の Chia との間でキメラ体やさまざまな変異体を作製、解析した。その結果、イヌ Chia の不活性化に関与する 2 アミノ酸を特定した。さらに、主に肉食性動物が属している、食肉目 40 種の動物のChia遺伝子を塩基配列レベルで解析した。その結果、イヌで同定した 2 アミノ酸は、イヌ科でのみ特異的に保存され、他の大多数の肉食性動物の Chia は偽遺伝子化していた。イヌ科以外の食肉目動物で、完全長 Chia を保持していたのは、現代でも昆虫を食餌とするミーアキャットとスカンクのみであった。さらに、ミーアキャット、スカンク Chia は、イヌよりも高いキチナーゼ活性を発現した。以上の結果から、食虫性の祖先から進化した現代の肉食性動物が、キチンを含まない食餌に適応したことで、Chia の構造と酵素活性に大きな変化を生じたことを明らかにした(Tabata et al., 論文投稿中)。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Bioinova Ltd./Homolka Hospital(チェコ)

    • 国名
      チェコ
    • 外国機関名
      Bioinova Ltd./Homolka Hospital
  • [学会発表] コモンマーモセットの酸性キチナーゼは消化器系プロテアーゼに耐性でキチン分解酵素として機能する2021

    • 著者名/発表者名
      田畑絵理、圦本晃海、佐々木えりか、小山文隆
    • 学会等名
      第10回日本マーモセット研究会大会 (オンライン開催)

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公開日: 2021-12-27  

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