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2020 年度 実績報告書

スリランカの献血事業からみる内戦終結後の国家統一と公衆衛生に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J40154
研究機関東京大学

研究代表者

梅村 絢美  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2022-03-31
キーワード南アジア / 献血 / 布施 / 宗教的贈与 / スリランカ / 仏教
研究実績の概要

本年度は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、海外渡航を伴うフィールドワークや、国際学会での発表が困難となり、国内で行なうことのできる論文執筆やオンライン上で入手できる範囲でのスリランカ社会に関する情報収集およびオンラインインタビューを中心に行った。
スリランカにおいても、新型コロナウィルスの影響は甚大であり、大人数の人びとが集まる会場で行われる献血キャンプは軒並み中止となってしまい、献血ルームで行われる予約制の献血のみが小規模で実施されている状況である。ただし、外出禁止令が発令されている期間中も献血ルームでは多くの献血者が献血をしていたようである。また、新型コロナウィルスの抗体研究という文脈において、感染者からの献血は極めて重要な資料であり、感染者への積極的な献血が呼びかけられている。Covid-19の影響がで始めた2020年2月頃からの献血者数の推移や献血キャンプの実施状況の詳細については、2021年中には発表される予定であり、このデータに基づき、コロナ禍におけるスリランカの献血の動向について、今後さらに検討を続けていきたい。
他方で、これまでの研究蓄積により、スリランカの仏教徒らが布施=功徳を積む行為という特有の動機によって行う献血についての論考は精緻化されてきており、オンラインで開催された日本文化人類学会での発表を行った。また、その内容を英語の論文にまとめることができた。推敲を重ね、近日中に海外の人類学研究・南アジア研究の査読付き学術雑誌に投稿することを考えている。さらに、スリランカ北部ジャフナにおいて行われる、シンハラ仏教ナショナリズムに影響を受けた献血ツアーについての論文も執筆中であり、南アジア研究関連雑誌に投稿を予定している。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

本年度は、コロナの感染拡大の影響で、当初予定していたスリランカでの現地調査が実施できなかったため、北部ジャフナにおける献血ツアーの実態についてのデータが不十分となってしまった。しかしながら、これまでの調査データを踏まえ論文作成に専念できたことから、研究のアウトプットという点では進捗が見られた。

今後の研究の推進方策

今後、研究期間中にスリランカでの調査が実施できるかどうかは不明であるが、オンラインでのインタビューを中心に現地の人びとの語りを収集しながら、研究を推進していこうと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 布施が支えるソーシャルサービス:スリランカ仏教寺院に集まる金・モノ・血液2020

    • 著者名/発表者名
      梅村絢美
    • 学会等名
      日本文化人類学会第54回研究大会

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公開日: 2021-12-27  

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