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2018 年度 実績報告書

目的指向性行動におけるセロトニンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 18J40243
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

宮崎 佳代子  沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワードセロトニン / 目的指向性行動 / 光操作
研究実績の概要

本研究は報酬獲得や罰回避などの目的指向性行動におけるセロトニンの役割を明らかにすることを目的に、光遺伝学を用いて行動中のマウスのセロトニン神経活動を活性化させながら複数の行動実験を行う。本年度は計画されていた行動実験のうち、主にレバー押し報酬獲得課題に取り組んだ。
実験では遺伝子操作によりセロトニン神経特異的にチャネルロドプシン2(ChR2)を発現したマウスは、オペラントチャンバー内でレバー押し報酬獲得課題を行った。マウスの背側縫線核には光刺激用プローブが埋め込まれ、外部から実験者が任意のタイミングで青色光を照射することでセロトニン神経のみを選択的に活性化することができる。現在までのところこのレバー押し報酬獲得課題と光操作とを組み合わせた本実験から、セロトニンは主に行動を抑制するという旧来の仮説とは相入れない興味深い結果を複数のマウスから同様に得ており、解析を進めている。
申請者はこれまで、報酬獲得行動の中でセロトニンは「辛抱強さ」を調節する役割を担うという提案を行ってきた(Miyazaki 2011ab,2012ab,2014)。本実験で得られた結果はこの提案を支持し、新たな展開を促すものであり、認知や行動におけるセロトニンの役割を理解する上で重要な示唆を与えるものであると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はレバー押し報酬獲得課題において光操作で背側縫線核セロトニン神経活動を活性化させて行動への影響を調べた。この結果セロトニンは主に行動を抑制するという旧来の仮説とは相入れない興味深い結果を得ている。これまでに申請者が示してきた「報酬獲得行動の中でセロトニンは「辛抱強さ」を調節する役割を担うという提案(Miyazaki 2011ab,2012ab,2014)」と合わせてセロトニンの機能についてさらに踏み込んだ議論ができる興味深い結果を得られたことを理由とする。

今後の研究の推進方策

昨年度の実験を引き続き継続すると共に解析を進める。実験終了後は研究計画に示した次の実験を準備することと合わせて、本実験で得られた成果とこれまでの知見とを合わせた目的指向性行動におけるセロトニンの機能について論文にまとめることに尽力したいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Reward probability and timing uncertainty alter the effect of dorsal raphe serotonin neurons on patience2018

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki K*, Miyazaki KW*, Yamanaka A, Tokuda T, Tanaka KF, Doya K *These authors contributed equally to this work.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 9 ページ: 2048

    • DOI

      https://doi.org/10.1038/s41467-018-04496-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Serotonergic effect on motor actions for future rewards in mice.2018

    • 著者名/発表者名
      Taira M, Miyazaki KW, Miyazaki K, Doya K
    • 学会等名
      11th Forum of European Neuroscience
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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