研究課題/領域番号 |
18K00001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 惠 北海道大学, 文学研究院, 名誉教授 (30227326)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 信 / 意味論 / 聖書の死生観 / 様相存在論 / 神 / イエス・キリスト / パウロ / 永遠の生命 |
研究実績の概要 |
『信の哲学』の英語翻訳の基礎になるアリストテレスの様相存在論の論文Aristotle’s Modal Ontology; Entelecheia (completeness) as the link between Logos and Ergonはコロナ禍で二年近く待たされたが2021年12月にオックスフォード大学出版会の編集部から認可がおりたことの報告を研究者側編集者から受けた。2022年度内の刊行が見込まれる。 その間東北大学倫理学研究会刊行のMORALIA28号(2021)にて「アリストテレスの意味論―既知及び未知なものごとを包括する」(pp.3-23)が刊行された。アリストテレスの意味論はパウロの言語哲学の基礎理論を提供している。 また東洋英和女学院大学死生学研究所からの招待により「死生学年報」2022に「聖書の死生観―旧約における待望の蓄積から新約の時の満ち足りへ―」(pp.83-102)が刊行された。聖書の死生観においては旧約聖書から新約聖書への展開を死生観の変遷において確認することができた。人類の歴史において一度のみ生起したイエスの復活が永遠の生命への希望を基礎づけることが確認された。 なお未公刊であるが、『信の哲学』におけるアメリカの同僚研究者から注目を受けて、共同でThe Faithfulness Projectを立ち上げたが、英文によるIntroductory Essayを執筆中である。シカゴ、ロスアンゼルスの研究者たちとオンラインにて研究を続けて来た。また「宗教改革の77か条」の英訳も進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で報告したオックスフォード出版会(OUP)からの英語論文の刊行がコロナ禍遅れている。これは信の哲学の英語翻訳の基礎部分を構成している。また日米共同で立ち上げたThe Faithfulness ProjectのIntroductory Essayが5月までには完成する予定である。これにより相互の研究が飛躍的に前進することが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
The Faithfulness ProjectのIntroductory Essayの刊行をめざす。OUPからの様相存在論論文の刊行により研究者からのフィードバックが期待され、新たな交流と展開が望まれる。「宗教改革の77か条」の英訳をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
信の哲学関連の書籍を購入予定。北海道大学での信の哲学についての共同研究を計画している。Oxford University Pressから刊行が決まったDavid Charles Emeritus Professor (Oxford University)のFestschrift刊行にともなう研究会に参加することをこの秋または冬に計画している。
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