研究課題/領域番号 |
18K00002
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐山 圭司 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80360965)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ロールズ / ヘーゲル / 政治哲学 / 和解 |
研究実績の概要 |
国内外で収集した文献をもとに研究を進める本研究は、新型コロナ感染症の世界的蔓延によって、この3年間、大幅な停滞を余儀なくされた。地方の小さな大学に所属する研究代表者は、これまで国内外の図書館で定期的に文献調査・収集を行うことで研究を進めてきた。だが、コロナ禍により海外渡航が不可能になり、国内の大学図書館も学外者に門戸を固く閉ざしたため、学外での研究文献収集はほぼ不可能になってしまった。しかし、今年度になってようやく新型コロナ感染拡大が収束に向かい、出入国制限が大幅に緩和され、海外渡航が可能になったため、2023年2月、ほぼ3年ぶりにドイツで文献収集を実施することができた。渡航先は、ロールズ研究で知られるコリーナ・ミート教授とヘーゲルをはじめドイツ古典哲学研究で著名なビルギット・ザントカウレン教授を擁するボーフムのルール大学である。 今回の文献収集の最大の成果は、イェルク・シャウブ(Joerg Schaub)が、社会哲学者として国際的に有名なアクセル・ホネットの下で執筆した博士論文『和解としての正義――ジョン・ロールズの政治的リベラリズム(Gerechtigkeit als Versoehnung. John Rawls' politischer Liberalismus)』の発見であった。ドイツで提出された博士論文は、原則的にドイツの大学図書館に所蔵されており、そのおかげで日本でまったく知られていないこの論文に辿り着くことができた。この論文の問題設定は、本研究課題とほぼ重なるものであり、本研究遂行のためには、この著作の徹底的検討が不可欠であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、関連文献の調査・収集を前提とした思想史研究であり、文献の調査・収集が、研究遂行に当たって決定的に重要である。本年度も昨年度同様に、新型コロナウイルスの世界的蔓延のため、海外渡航や国内移動ができず、出入国制限が緩和された年度末に一度だけ文献収集を実施できた。これは、研究開始時には、まったく想定していなかった事態であり、現在の状況は、当初の予定より大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが変更され、日本においても日常が戻りつつあり、今後はコロナ禍以前と変わらない形で研究を進められそうである。コロナ禍によって大きな遅れが生じてしまったが、今回発見したイェルク・シャウブの博士論文を手がかりに、遅れを取り戻していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も、新型コロナ感染症の世界的蔓延により、海外渡航や国内移動が制限され、予定していた研究者訪問や資料収集のための出張の大半を断念せざるえなくなったため、次年度使用額が生じた。なお、この予算は、当初予定していた出張等のために使用する予定である。
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