研究課題/領域番号 |
18K00007
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小熊 正久 山形大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (30133911)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 画像 / 想像 / 現象学 / フッサール / メルロ=ポンティ / 表現媒体 / オイゲン・フィンク / ロマン・インガルデン |
研究成果の概要 |
本研究の課題は、フッサール以来の現象学における想像と画像意識の諸研究の意義を解明することであった。代表者は、最初に、志向性を枠組みとした「想像」と「画像意識」のフッサールの考えを、画像意識の三契機(像物体、像客体、像主題)と中立性変様の思想を中心に呈示した。第二に、「中立性変様」の思想を受け継いで構想されたフィンクの演劇論とインガルデンの「文学的芸術作品」論―言語論、擬似判断の思想を含む―を考察した。第3にメルロ=ポンティのソシュールの影響下での言語論と意味論、そして、ゲシュタルト心理学などを参照した知覚論と絵画論を考察した。以上の現象学者による表現媒体の扱いの意義を評価することができた。
|
自由記述の分野 |
哲学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターネット社会に象徴されているように、現代人と生活世界は多くの表象・表現媒体によって規定されている。知識や意見交換、芸術・スポーツなどでのプレゼンテーションがその例である。そこで現代社会と人間を根本的に検討するためには、表象・表現媒体の考察が不可欠である。 古来人間の把握は、精神と身体、知性と感性という枠組みに従っていたが、上の状況を考えれば、より柔軟で、身体と感性を中心に据える考察が必要となっている。その際、世界内存在としての人間、表現媒体としての言語と画像が再考されなければならない。現象学者たちの表現媒体に関する考察はそうした基礎論となりうるものである。本研究の成果はそのことを示す。
|