研究課題/領域番号 |
18K00026
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
金 泰明 大阪経済法科大学, 法学部, 教授 (10388613)
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研究分担者 |
山竹 伸二 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90388629)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ルール的人権原理 / 価値的人権原理 / ケアの原理 / 心理療法の共通原理 / 障害者雇用 / 複数言語育児 / 地域包括ケア |
研究実績の概要 |
定例研究会を中心に研究活動を展開した。 ・第1回・定例研究会:2018年5月1日。テーマ:科研費研究「二つの人権原理と普遍ルール社会構想―人権概念と共生論の哲学的考察」の研究計画概要確認と今後の進め方について議論。報告者:金泰明(研究代表者)・第2回・定例研究会:2018年6月23日。テーマ:「二つの人権原理について」(発表者:金泰明)。内容:金泰明の「二つの人権原理」について、あらためてその中心的な主張を確認し、活発な議論を行った。・第3回・定例研究会:2018年8月30日。テーマ:「ケアの原理から考える福祉社会」(前半)(発表者:山竹伸二)。内容:「心理療法の共通原理」。まず現代の心理的治療論の問題点を指摘し、人間存在の本質論が必要であることを確認。・第4回・定例研究会:2018年10月15日。テーマ:「ケアの原理から考える福祉社会」(後半)(発表者:山竹伸二)。内容:心の病と治療論の本質的解明について。超高齢化社会日本において、一般の人々の相互ケアの可能性を含めた共生社会について議論。・第5回・定例研究会:2018年12月15日。テーマ:「共に生きるための現象学」(発表者:岩内章太郎)。内容:「共に生きる」という観点から現象学を考察。相互主観的確証と相互承認の二つのベクトルを現象学の議論から取出し議論した。・第6回・定例研究会 2019年12月16日。テーマ:①「複数言語環境で成長する子どもの日本語教育」(発表者:稲垣みどり)、②「障害者の就労支援」(発表者:佐藤文昭)。内容:①博論の内容(海外、アイルランドにおける「複言語育児」を実践する日本人の親たちのライフストーリー)を主に報告した。②障害者雇用(特に精神障害者や発達障害者)について解説。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費研究会「共生論研究会」のメンバーのほぼ全員が、各自の研究・実践領域で抱える諸問題を原理的に検討する試みの研究発表を順調に行ってきた。並行して、金泰明(代表者)、山竹伸二(分担者)を中心に、共生論にもとづいた共生社会を展望するうえでの、哲学的根拠としての現象学(フッサール)および竹田現象学(『欲望論』)といった哲学原理の原典文献の講読研究会も進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度の研究成果を踏まえて、今年度(2019年度)は、共生社会を展望するのに必須の実践原理―相互承認原理と共通了解の原理―をより深く考察・検討を加えつつ、竹田現象学の主著である『欲望論』の詳細な検討を行っていきたい。また、金泰明が主宰している「人権理論研究会」や「東アジア市民社会研究会」と協力して、日本、韓国、中国の市民社会の現状と可能性を、「人権」「共生」をキーコンセプトにして考察を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、2019年8月に開催予定していた「共生論」「人権理論研究会」(東京)と「市民社会の哲学原理研究会」の合同合宿は予定より早く2018年8月に開催となった。合宿で報告発表した講師(2名)の謝金と旅費を支給したことにより使用金額が増えた。今年度(2019年度)は、東西合宿を開催しないので使用金額を予定内に収めることができる。
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