研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「当事者の観点に基づいたカント倫理学の変換」を研究課題とした。カントは18世紀ドイツの哲学者であり、その倫理思想は現代においても重要な手引きを与えている。とはいえ、いくつかの限界も指摘され、改善や枠組みの変換がつねに試みられている。特に、カントが提示した道徳は普遍的なものであり、個人に即した倫理的判断が弱かった。本研究は、判断する個人の観点を特に取り上げ、分析することで、カント倫理学の再解釈を試みた。関連する研究成果は、主に雑誌論文において公表した。
哲学・倫理学
カントの倫理学研究は国内外において活発に進められている。本研究もそれを担う学術的意義を持つ。本研究では、判断する個人の観点を特に取り上げることで、新しい問題提起としての意味を持つ研究となった。公表した学術論文は、専門学会の雑誌であり、学術的価値を持つ貢献となった。内容に関しては、英米圏におけるカント研究やその批判的解釈を取り込んだ部分を持つため、国内における一定の需要を満たすものになったと考えられる。