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2022 年度 実績報告書

医療現場における「哲学的対話実践」モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K00037
研究機関福井大学

研究代表者

西村 高宏  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00423161)

研究分担者 近田 真美子  福井医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00453283)
田村 恵子  京都大学, 医学研究科, 教授 (30730197)
孫 大輔  鳥取大学, 医学部, 講師 (40637039)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード哲学対話 / 臨床哲学 / 哲学プラクティス / 医療現場 / 哲学カフェ / がん看護 / 緩和ケア / 医療人類学
研究実績の概要

最終年度は、本科研の最終目的である、各診療科にあわせた「哲学対話実践モデル(暫定的なモデル)」の効果検証の作業を、とくに緩和ケア領域を中心に複数回行った。具体的には、2022年10月から2023年3月の間で、京都大学大学院医学研究科緩和ケア看護学分野に関わる看護師・大学院生および看護教員10名程度を対象に3回の哲学対話の研修プログラムを実施し、プログラムの前後および終了2か月後の計5回アンケート調査を実施した。あわせて、医療現場における哲学対話の効果検証を行うために、米国の教育学者Jack Mezirowの変容的学習理論に基づく変容的学習尺度、心理測定尺度、さらには哲学プラクティショナーのThomas E. Jacksonが「探求のコミュニティ」のために作成した質問項目などを参考にしながら、これまでにない新たな評価基準を作成できたことは大きな成果であった。これにより、医療・ケア領域における哲学対話の効果測定の際にはこの評価基準が参照され、後続する他の研究にとっても大いに貢献するものと思われる。現在は、回収したアンケートの尺度分析を、SPSS等を用いて前後スコアの平均値の差の検定など軸に行うとともに、質問紙の自由記載データについては内容分析を用いて質的分析を実施中である。今回の研修プログラムの結果および医療現場における「哲学的対話実践モデル」構築に関する総合的な成果報告については、新型コロナ感染拡大の影響で本研究の遅滞を余儀なくされたこともあり、今後、関連する学会において随時行っていく予定である。
そのほか、当該年度においては、2022年8月に「医療と文化」と題した公開シンポジウムを行い、文化的・宗教的背景の違いから生じる、医療現場における対話実践を阻害する要素をいかに同定・解消すべきかについて、実際にラオスで医療実践に携わっている医師や看護師をゲストに招き意見交換を行った。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] ロフェッショナリズムとは何か 定義から倫理学的基盤まで2023

    • 著者名/発表者名
      孫 大輔
    • 雑誌名

      臨床麻酔

      巻: 47 ページ: 461-467

  • [雑誌論文] 「哲学対話」の作法 医療現場に「哲学対話」を挿し込む2022

    • 著者名/発表者名
      西村 高宏
    • 雑誌名

      緩和ケア

      巻: 32 ページ: 453-456

  • [雑誌論文] 医療現場における「倫理教育」の困難さ “moral sensitivity”を逞しくするために2022

    • 著者名/発表者名
      西村 高宏
    • 雑誌名

      日本顎顔面インプラント学会誌

      巻: 21 ページ: 103-106

  • [雑誌論文] 緩和ケアにおける対話を拓く2022

    • 著者名/発表者名
      田村 恵子
    • 雑誌名

      緩和ケア

      巻: 32 ページ: 467-470

  • [雑誌論文] 患者の語りを用いたプロフェッショナリズム教育:ナラティブと共感2022

    • 著者名/発表者名
      孫 大輔
    • 雑誌名

      薬学教育

      巻: 7 ページ: 1-5

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 医師が変容するとき:人類学との接近による「相対化」を経て2022

    • 著者名/発表者名
      孫 大輔
    • 雑誌名

      保健医療社会学論集

      巻: 33 ページ: 24-26

  • [学会発表] “医療倫理学”の意義とその実際2022

    • 著者名/発表者名
      西村 高宏
    • 学会等名
      第335回日本小児科学会北陸地方会(第25回福井地方会合同開催)
    • 招待講演
  • [学会発表] The Significance and Possibilities of Introducing “Philosophical Dialogue” in Medical Practice: The Necessity of a Vertically Dialogic Orientation in Medical Settings2022

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Nishimura
    • 学会等名
      Online Symposium “Philosophical Practices in Healthcare Settings”
    • 招待講演
  • [学会発表] 医療現場における「哲学対話実践」モデルの構築 がん看護に携わる看護師に対する対話プログラムの試み(グラフィック担当)2022

    • 著者名/発表者名
      近田 真美子
    • 学会等名
      京都大学大学院医学研究科緩和ケア看護学分野
  • [図書] せんだいメディアテーク編 つくる〈公共〉 50のコンセプト 「他者と対話する」(68-71)2023

    • 著者名/発表者名
      西村 高宏(共著)
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000239042
  • [図書] 震災に臨む 被災地での〈哲学対話〉の記録2023

    • 著者名/発表者名
      西村 高宏
    • 総ページ数
      366
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      9784872597684

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公開日: 2023-12-25  

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