研究課題/領域番号 |
18K00049
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
塚本 晴二朗 日本大学, 法学部, 教授 (90217282)
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研究分担者 |
笹田 佳宏 日本大学, 法学部, 准教授 (00804361)
茨木 正治 東京情報大学, 総合情報学部, 教授 (10247463)
眞嶋 俊造 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50447059)
上村 崇 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 極化現象 / 記事内容分析 / ネット書き込み分析 / 正しい議論 / 正しい罵り合い / ユニコーンモデル / エコーチェンバー |
研究実績の概要 |
最終年度は以下二つの成果物の作成に全力をあげた。第1に、日本法政学会シンポジウム「議論と民主主義」の開催であり、第2に、『「ポスト・トゥルース」時代における「極化」の実態』の刊行である。①については、2020年11月28日第133回日本法政学会研究会において、民主主義と議論の問題を、マス・メディア研究、政治学、憲法学等の法律学、社会学、倫理学等の学際的な視点で検討を行った。②については、2021年3月10日に刊行し以下の内容とした。第1章「『正しい罵り合い』:『正しい議論の仕方』からの類推」は、議論の仕方を根本的に考察した。第2章「SNSの極化現象-平昌五輪の韓国産いちご問題を事例としたTwitterにおける実証研究-」は、平昌五輪期間中に発生した韓国産いちご問題を事例に、メディアの客観報道に基づいて、受け手の議論・対立(極化・分断)がどのように生じているかをダイアロジカルネットワーク分析によって明らかにした。それによって、ポスト・トゥルース時代における、極化現象のメカニズムの再構築を試みた。第3章「『極化』・感情・熟議」は、第2章の平昌五輪報道の実証研究における極化モデルを踏まえて、メディア環境の変化と感情変数の考慮の2点から検討した。第4章「望ましい議論に向けて-ジャーナリストがすべきこと-」は、第1章から第3章までの内容を踏まえて、議論のためのジャーナリストの規範を検討した。まずジャーナリズムという活動の大前提を確認し、ジャーナリズムの定義を提示した。それに則った活動をするジャーナリストのアプローチを四つに分類し、特に意見が対立し議論になりうるような問題を扱う際に、どのような対応が想定されるかを考察した。そこから日本におけるジャーナリストの規範の導き出しを試みた。第5章「望ましい議論に向けて-教育ですべきこと-」では、望ましい議論を形成する思考に焦点を定めて検討した。
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