研究課題/領域番号 |
18K00064
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
三浦 周 大正大学, 仏教学部, 非常勤講師 (60646222)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 上田万年 / 高楠順次郎 / 博言学構想 / 梵語 / 梵語学の受容 / 大学一覧 |
研究実績の概要 |
本年度の研究目的「近代仏教学の形成 梵語学」に基づき、上田万年の博言学構想の「梵語」担当が高楠順次郎であるという作業仮説のもと、上田・高楠の共通点(ライプツィヒ大学留学・東京帝国大学博言学講座担任・国語調査委員会委員・帝国学士院会員・『織田仏教大辞典』監修・東京外国語学校校長、および人物像・事蹟)を関係書籍・関係論文・歴史公文書等から調査した。 同じく、「梵語」学修を相対化し、ここからその特性を考察するため、戦前(昭和9年度)の旧制大学の外国語学修環境を各『大学一覧』(『総覧』『要覧』含む)および関連資料(各『大学史』等)から、現代(平成30年度)の大学(旧制大学を前身校とする48校)の外国語学修環境を公式サイト(規程・カリキュラム・シラバス等)から調査し、これらにおける「梵語」関連講座・科目・教員を確認、その比較から特性を考察した。 あわせて、通時的な視点として、大正大学(聖語学・仏教学第二・梵語・梵文学研究室、国際文化学科インド文化系、1926-1996)における「梵語」関連科目・教員(助手・副手)を『大正大学一覧』・『大正大學々報』・『大正大学学報』・学事資料・研究室内資料・附置綜合佛教研究所内資料等から確認し、ここから「梵語学」受容の過程を考察した。 なお、ここでの調査結果は来年度刊行予定の『現代日本の大学と宗教』(法蔵館)において、「「ナショナル」な梵語学」として反映する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の研究目的「近代仏教学の形成 梵語学」における研究計画は「上田万年の博言学構想」、「梵語学講座の一覧」であったが、当初計画に加え、令和2年度計画の「仏教系大学の戦時的特色」に通底する「護法」(特に排耶論について)の講演、「仏教青年会の戦時的特色」に関連する「新仏教」概念についての発表を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、令和元年度は「梵語学者の研究環境」として泉芳璟の蔵書調査/上田恭輔の人物調査、「聖徳太子-天皇帰一論への接続」として、山崎闇斎・鵜飼徹定・岡倉天心・村上専精・佐伯定胤・花山信勝らの聖徳太子観/聖徳太子の顕彰活動の実態/仏教系大学における聖徳太子の位置づけの調査を実施する予定である。
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