• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

アヴァダーナとパンニャーサ・ジャータカの起源と流布に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00067
研究機関愛知学院大学

研究代表者

引田 弘道  愛知学院大学, 文学部, 教授 (00192287)

研究分担者 大羽 恵美  金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員研究員 (50707685)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード仏教説話 / アヴァダーナ / 仏教説話図 / アヴァダーナ・カルパラター
研究実績の概要

本研究は仏教説話のうちの比喩譚(たとえ話)の文献と美術作品に関する研究である。梵語と蔵語で書かれた比喩譚(たとえ話)の邦訳を行い、主題を同一にする文献と比較検討を行う。また美術作品を研究の対象に加えて図像学的考察を行うことで、作品におけるイメージの典拠を明らかにし、説話物語の主題を明確にする。文献と美術の両側面から比喩譚に代表される仏教説話図における大乗的思想の展開の一端を明らかにすることを目的とする。
本年度は先年に引き続き、研究の中核となるアヴァダーナ文献の翻訳を行い発表した。今回発表した『シュローナコーティヴィンシャ物語』は根本説一切有部が保持した『破僧事』に近い構成を取ることが複数の文献との対照によって明らかになった。ほかにも類似した構成を取る文献群があり、今後もさらに文献解読を進め、『アヴァダーナ・カルパラター』が編纂されたカシミールにどのような部派が所持した律などの文献があったかをまず明らかにしたい。さらに翻訳文献やそのほかの仏典に共通する事柄を抽出し、ヒンドゥー教に端を発し仏教に取り入れられた教化方法について考察し発表した。
本研究の中心となっている『アヴァダーナ・カルパラター』の翻訳は十章を超えてまとめる段階に進んでいる。『アヴァダーナ・カルパラター』は未だまとまった形での書籍の刊行がないため、これまでの成果を発表すべく、翻訳と文献解説および論考を収録する報告書の作成に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルスの蔓延によって海外および国内の調査ができなかった。資料がそろっている翻訳を着実に進めて発表しているが、現地にある資料を取り寄せる必要がある部分は進捗が滞っている。

今後の研究の推進方策

これまでに発表した翻訳と関連する論文をまとめた報告書を作成中であり、本研究の成果とする。

次年度使用額が生じた理由

繰り越した理由としては、コロナウイルスにより2,3月の国内調査および海外における調査、研究会を中止したため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] シュローナコーティーヴィンシャ物語--『ボーディサットヴァ・アヴァダーナ・カルパラター』--第27章和訳2020

    • 著者名/発表者名
      引田弘道、大羽恵美
    • 雑誌名

      人間文化 : 愛知学院大学人間文化研究所紀要

      巻: 35 ページ: 119-158

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 仏陀の視線2020

    • 著者名/発表者名
      引田弘道
    • 雑誌名

      愛知学院大学文学部紀要

      巻: 50 ページ: 165-172

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi