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2021 年度 実績報告書

『大正新脩大蔵経』編纂の実態に関する書誌学的研究:増上寺報恩蔵本を通して

研究課題

研究課題/領域番号 18K00073
研究機関公益財団法人東洋文庫

研究代表者

會谷 佳光  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50445714)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード『大正新脩大蔵経』 / 「増上寺報恩蔵本」 / 酉蓮社 / 書誌学 / 嘉興蔵 / 『大正新脩大蔵経勘同目録』 / 脚注 / データベース(IIIF・TEI)
研究実績の概要

大正蔵と酉蓮社本のテキスト比較について、2020年度にテキストデータの国際的ガイドラインTEIを導入して実施する方針に変更したため、2021年度に補助事業期間を延長した。
これまでの研究成果から、大正蔵は従来から知られる再刊時の補訂以外にも初版の和装本・洋装本、再刊本、普及版の間に大小様々な異同があることが判明した(未見ながら再刊本の第41回配本第82巻(1965年刊)に正誤表が含まれることも判明した)。かつ大正蔵編纂の際、底本・校本に用いたと記録されるテキストによらず、縮刷蔵経や頻伽蔵を使った経典があるとの指摘もあり、単純に大正蔵のいずれかの版を酉蓮社本と比較しても、十分な結果が得られない可能性がある。
そこで、SAT大藏經テキストデータベース研究会より提供いただいた『釈禅波羅蜜次第法門』のTEIテキストをサンプルとして酉蓮社本のTEIテキストを作成した。さらに大正蔵諸版の画像を比較して異同箇所を機械的に自動判別するシステムを試作し、IIIF・TEIを活用して縮刷蔵経・頻伽蔵経と比較できるようにし、そのうえで酉蓮社本との異同を調べることで、大正蔵が酉蓮社本に直接依拠したのか、それとも縮刷蔵経や頻伽蔵経を使ったのか解明するべく、研究協力者の中村覚氏(東京大学史料編纂所助教)とシステム構築の検討を進めた。なお酉蓮社本の画像は当初圧縮したものをIIIF化してデータベースに登録していたが、圧縮前の高精細画像に差し替え、2021年7月に一般公開した。
これらの方針変更で生じた作業が、2021年度においても十分に進展させることができなかった。幸い2021年度に基盤研究(A)「漢文大蔵経の文献学的研究基盤の構築:『大正新脩大蔵経』底本・校本DBの活用と拡充」(21H04345)が新たに採択されたので、本研究は基盤研究(A)に継承して、引き続き大正蔵と酉蓮社本のテキスト比較に取り組んでいく。

備考

會谷佳光「酉蓮社の明版大蔵経とデータベース化事業」(『浄土』八十八巻、法然上人鑽仰会、2022年、17頁)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 東洋文庫漢籍善本紹介2022

    • 著者名/発表者名
      會谷 佳光
    • 雑誌名

      東洋文庫書報

      巻: 53 ページ: 1-63

  • [学会発表] 『大正新脩大蔵経』底本・校本データベースの活用事例―大正蔵の「宮本」収録をめぐって―2022

    • 著者名/発表者名
      會谷 佳光
    • 学会等名
      東洋文庫研究データベース会議
  • [学会発表] 『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース、酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース2021

    • 著者名/発表者名
      會谷 佳光、宮崎展昌
    • 学会等名
      「「奈良勅定一切経」の総合的研究」令和3年度第2回共同研究会
  • [備考] 『大正新脩大蔵経』底本・校本データベースの構築・公開

    • URL

      https://static.toyobunko-lab.jp/taishozo/

  • [備考] 酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベースの構築・公開

    • URL

      https://static.toyobunko-lab.jp/u-renja/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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