研究課題/領域番号 |
18K00075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 儀礼 / 産業化 / インドネシア |
研究実績の概要 |
初年度である2018年度における主な事業としては1.海外研究者との研究協力体制の構築、2.国内の三箇所の研究機関における資料調査、3.文献を用いた民間信仰の市場化に関する理論的考察の三つをおこなった。まず1.について、当初は木村がインドネシアの幾つかの研究機関を直接訪問して研究の協議と初年度の予備的調査を試行する予定であったが、諸般の事情から先方の日本訪問の機会などに協議を行わざるをえなかった。それでも北スマトラ大学のAli Mansyar講師およびRobert Sibarani教授に加え、民間信仰に詳しいノメンセン大学のManguji Nababan教授と研究協力について協議し、スマトラにおける結婚式および葬儀の変化について有益な情報を得ることができた。他方、当初予定していた予備調査については、確かに研究代表者本人が実施することはできなかったが、Ali Mansyar氏にスマトラ島メダン市におけるムスリム向けの葬祭業者に関するインタヴュー調査を実施していただき、今後の本調査についてのめどを立てることが出来た。2.についてはまず三宅文庫、国立歴史民俗博物館において日本国内における葬儀・結婚の習俗およびその産業化に関わる資料の収集を行った。また同様の調査を、アジア経済研究所図書館が所蔵しているインドネシアの日刊紙KompasとSuara Pembaruanに関して行った。後者に関してはいくつかの有用なデータを集めることができたが、対象としたのが全国紙であったため、今後地方紙にも目を向けていくことが課題として浮かび上がった。3.については近年盛んになりつつある宗教と商業化に関する専門書を入手し、本研究の理論的枠組みについて考察を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の通り2018年度には当初予定していたインドネシアにおける最初の予備的調査を実施することができなかった。その分、計画がやや遅れていると自己評価した。ただしインドネシア側の協力者に情報収集をしていただいた上で研究の方向性について詳細な検討を行ったため、今年度の計画に大きく支障がでることはない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は夏季および冬季にインドネシアにおける現地調査を現地の協力者と共同で実施し、研究計画全体に遅れがでないようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度における第一回現地調査が実施できなかったため。翌年度には夏季、および冬季に2度の調査を行うことで計画に遅れが生じないようにする。
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