研究課題/領域番号 |
18K00075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 敏明 東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 儀礼 / 産業化 / インドネシア / 冠婚葬祭 / コロナウィルス感染症 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度一昨年度に収集した50あまりの冠婚葬祭産業事業者への調査結果について、仕事の内容や規模、創設の経緯や他業種との関係に注目をしながら整理と分析を行った。その結果、多民族・多宗教国家であるインドネシアでは婚葬祭ルールが多様性をもつことから大規模な総合的業者は現れにくく、多様な業種の小規模業者がネットワークでつながった形で展開していることが明らかになっている。また、大きな資本が必要ない業種もあり、新規参入へのハードルが低いことから、若い世代がもともとの趣味を生かし、創意工夫を凝らして経営に参入している事例も多く見られた。特にコロナウィルス感染症による社会行動の制限に対応して、ITスキルの高い若い世代によるオンラインを活用した事業が数多く生まれていることも明らかになった。 一方でRT/RWやSTMなどの町内会組織の果たす役割については二十年前と比べて明らかにその範囲が狭くなり、コミットする度合いも低下していることが分かった。 新規に現地調査を実施して特にコロナウィルス感染症の影響が冠婚葬祭産業の再編にいかなる影響を与えたかを明らかにできないか模索した。しかし後者については、現地調査協力者とのディスカッションの中で、ポストコロナにおける社会的混乱が著しい中で行うよりも一年ほど時間をおいて調査する方が適切であると判断し、一年先送りをした。この調査結果をふまえて次年度には全体の成果をまとめていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルス感染症の影響を確実に捉えようと戦略的に調査を1年先送りしたための遅れであり、問題ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルス感染症の影響を確実に捉えようと戦略的に調査を1年先送りしたための遅れであり、今年度は現地での調査を実施したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の調査を、社会情勢を踏まえて来年度に延期したため。来年度使用額は現地調査とそれをふまえた成果報告のために用いる。
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