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2018 年度 実施状況報告書

宗教法人の経営する霊園・納骨堂の経営に関する研究-「名義貸し」を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18K00081
研究機関國學院大學

研究代表者

石井 研士  國學院大學, 神道文化学部, 教授 (90176131)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード宗教法人 / 宗教法人法 / 境内地 / 霊園 / 公共性 / 収益事業
研究実績の概要

平成28年度は、八王子地区の霊園に関する調査を開始した。八王子市に存在する霊園は41カ所であった。41の霊園について、名称、住所、運営法人、法人住所、運営組織、霊園区分、宗派・宗教、総面積、区画数を調査した。調査からは、他地域から八王子地区へ収益事業として霊園を経営する法人はきわめてわずかであることがわかった。マスコミや週刊誌が宗教法人のあくどい営利事業の典型として取り上げる「名義貸し」はわずかであった。
他方で、霊園の経営自体は、運営法人としての宗教法人ではなく、石屋、墓苑業者、葬儀業者が行っていた。そうした意味では、八王子市にある宗教法人が運営する霊園であっても、じっさいにはそうした業者による運営と言ってもいいものであった。宗教法人は境内地の一部、もしくは隣接地に土地を購入し、運営自体は業者に委託する。典型的な運営形態は、業者は土地の整形、造成を引き受ける一方で、運営母体の宗教法人は墓石等の扱いを特定業者にだけ認める。中には、そうした業者のホームページに、複数の霊園があたかも業者が運営する霊園であるように掲載されているものも見られた。「名義貸し」ではなくても収益目的の事業の丸投げ、といわれてもしかたのない状況が存在する。
今年度は、八王子の他に、東京都の霊園についても、調査の手を広げることができた。東京都には75の霊園が存在し、リストを作成した。今後は、保健所を通して情報開示を行うなど、より実態の解明を進めたいと思う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画当初は、八王子市の霊園の把握だけでも相当の時間を要すると考えた。これからまだ一部の霊園について、八王子保健所に対して情報開示を求めるが、ほぼ概要の把握を終了した。想定よりも「名義貸し」の実態がわずかであることが分かり、その結果、作業を東京都23区の調査へ進めることができた。

今後の研究の推進方策

八王子の霊園に関して、一部は八王子市保険に対して情報開示の申請を行う。作成したリストを完成させる。
東京都に関しては、詳細なリストの作成と、すでに明らかになっている2カ所の「名義貸し霊園」(機械式納骨堂)に関して、裁判記録を始めとした情報を収集し、問題の所在を明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していた調査(滋賀県)に行くことができなかった。また、予想以上に霊園に関する文献が少なかった。文献に関しては、年間購読雑誌から該当部分を複写することで収集した。複写については、大学の研究費を利用できたために計上しなかった。
令和元年には予定通りの調査が可能と考えられるので、初年度の費用を有効に使いたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 宗教団体は不必要なのか2018

    • 著者名/発表者名
      石井研士
    • 雑誌名

      CANDANA

      巻: No.274 ページ: 1-3

  • [雑誌論文] 伝統宗教の変容と未来2018

    • 著者名/発表者名
      石井研士
    • 雑誌名

      宗教界今昔 京都宗教記者会70周年記念誌

      巻: 1 ページ: 74-75

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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