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2021 年度 実施状況報告書

普遍宗教と現地適応-インドのカトリック教会における儀礼の社会性と多義性を焦点に-

研究課題

研究課題/領域番号 18K00083
研究機関中央大学

研究代表者

岡光 信子  中央大学, 政策文化総合研究所, 客員研究員 (50447116)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードキリスト教 / カトリック教会 / インカルチュレーション / 儀礼 / 普遍性 / 多様性
研究実績の概要

本研究が対象とするカトリック教会は、普遍性を標榜する宗教組織であり、教会の統一性を維持する普遍的な要素と宣教地における多様性のもとに、宣教活動を行っている。本研究の目的は、普遍性と多様性という対照的な要素が公的な儀礼に存在することに注目し、宣教地における文化や伝統を取り入れる現象「インカルチュレーション」について、具体的に現地調査を行い、情報を収集し、それについて検証するものである。
カトリック教会は、教会としての普遍性を維持するため、公的な儀礼については普遍的なフォームを規定している。一方で、カトリック教会の宣教は、言語、文化、慣習、気候が異なる地域で行われており、こうした地域性への配慮が見られる。そのため、カトリック教会の公的な儀礼は、普遍的なフォームを維持しながら、地域における特徴が取り入れられている。本研究の調査対象地域は、インドのタミルナードゥ州カンニヤークマリ県で、カトリック教会が典礼を現地語で行うことを認可して以来、タミル語とう現地語が儀礼執行において使用されている。
2021年度は、コロナ禍におけるインド渡航ができず、調査対象地域である、カンニヤークマリ県において、現地調査を行い、カトリック教会の公的な儀礼について実例を収拾することが不可能であった。その代わり、既知の研究者および調査地の研究協力者とインターネットでやり取りを行い、研究に関する助言や情報の収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、カトリック教会のインカルチュレーションの事例を調査地で参与観察しながら収集し、検証することである。そのため、調査地における現地調査が必須となる。
しかし、コロナ禍でインドへの渡航ができなくなり、インドのタミルナードゥ州、カンニヤークマリ県での調査が不可能になった。パンデミックにより、インドでの調査が再開するまで研究に必要な人生儀礼の情報収集ができないという、大きな痛手をこうむった。
現地調査が不可能というハンディを補うために、バチカンが公表する公式文書、現地教会のニュースレターやホームページを閲覧し、必要な情報を収集し、分析を行った。

今後の研究の推進方策

コロナ禍でインドに赴き、現地でインカルチュレーションに関する具体的な事例を収集することが難しい状況が続いている。
そのため、コロナ以前に収集した人生儀礼に関する情報について、再検討し、項目ごとにデータ化する作業を行う。さらにカトリック教会の公式文書や声明に関する資料について、カトリック教会の宣教活動の方針を中心に、インターネットや書籍などを収集し、それらの分析を行う。
現地の協力者とコミュニケーションをとり、現地情報を収集することで調査の補足を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、当初の計画では海外調査を行う予定であったが、渡航が全くできなかった。
さらに国内出張もコロナ禍で全くできなかったため、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 宗教を超える紐帯-南インドの異宗教間結婚を事例にして2022

    • 著者名/発表者名
      岡光信子
    • 雑誌名

      宗教研究

      巻: 95 ページ: 269、270

  • [学会発表] 宗教を超える紐帯-南インドの異宗教間結婚を事例にして2021

    • 著者名/発表者名
      岡光信子
    • 学会等名
      日本宗教学会

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公開日: 2022-12-28  

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