研究課題/領域番号 |
18K00084
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
李 賢京 東海大学, 文学部, 講師 (80584333)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人口減少 / 過疎地 / 少子高齢化 / 外国人宣教師 / 地域維持 / 多文化共生 / 移民宗教 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に行った文献、史・資料調査をベースに、鹿児島県鹿児島市内と奄美大島、そして北海道函館市のカトリック教会調査と、当該地域で活動している外国人宣教師への聞き取り調査を実施した。具体的には、各地における教会の過疎化や高齢化、外国籍信者などへの対応に加え、外国人宣教師の地域社会への関心や参加、そして地域住民との連帯や社会支援などのデータ収集に努めた。 上記の調査で得られたデータをまとめ、国際学会The 2nd Annual Conference of the EASSSR(East Asian Society for the Scientific Study of Religion)や研究会(北海道宗教研究会第9回研究例会&「宗教と社会」学会「東アジアにおけるキリスト教の越境と交流」プロジェクト共催)などで発表を積み重ねた。学会や研究会に参加した研究者からコメントを収集し、明らかになった問題点について検討する機会となった。特に、本年度はカトリック教会を中心に研究調査を実施してきたが、学会、研究会での発表や意見交換などを通して、同地域および他地域のプロテスタント教会に関する知識や情報についての知見を深める貴重な機会となった。また、これにより、情報交換や研究ネットワークの拡大、研究会の形成につながることとなった。次年度もひきつづき、研究調査や成果発表を継続しながら、意見・情報交換の機会を積極的にもうけ、事例研究および検討を重ねていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、過疎地の中でも教会が多数存在し、かつ信者数の多い奄美大島を中心に調査を行い、当該地域における教会の役割や外国人宣教師の活動に関する資料・文献収集、分析に努めた。これらのデータは、2つの論文にまとめることができた。また、次年度の地域比較のための調査協力の体制を整えることもできたため、当初の予定とおり、おおむね進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、人口減少問題の局面にある地域の教会調査およびそこで活動を展開する外国人宣教師への聞き取り調査などを主とする。とりわけ、3年度目は、これまでの調査地域であった北海道や鹿児島、奄美に加え、キリスト教信者数・教会数が多く、かつ過疎化が進んでいる長崎や、関連団体の社会福祉活動が盛んな秋田、さらには信者数・教会数が少ない過疎地で実地調査を行い、比較分析を行う予定である。 ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後の状況次第で、今後の研究方法や調査方法の変更が余儀なくされる可能性があるため、実地調査が不可能になった場合を想定して、その対策を講じておく必要があるだろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大にともない、2~3月予定していた現地調査が不可能になったため、次年度使用額が生じた。本研究は現地調査によるデータ収集が主であるため、翌年度分の助成金と合わせて、現地調査の旅費として使用する予定である。ただし、新型コロナウイルス感染症の今後の状況次第でさらに変更される可能性があると考える。
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