研究課題/領域番号 |
18K00086
|
研究機関 | 恵泉女学園大学 |
研究代表者 |
李 省展 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 名誉教授 (10279664)
|
研究分担者 |
小檜山 ルイ 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70186782)
徐 正敏 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (70647255)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 信教の自由 / 日韓比較宗教史 / キリスト教 / 宗教弾圧 / ミッション・スクール |
研究実績の概要 |
2020年度の研究実績に関しては、コロナの感染拡大傾向にあって、大きな制約の下、実施しなければならず、実績を順調に積み上げるに至らなかった。 本来であれば国内外での資料調査を実施する予定であったが、海外とともに国内での移動も大幅に制約されたことから、公開されているデジタルデータ以外へのアクセス、収集は極めて困難であった。また計画していた国際シンポジュームに関しても開催の困難を覚え、実施を取りやめざるを得なかった。このようなことから、研究に携わる者が、個々のテーマを掘り下げていく努力を重ねることとなった。それは関連する研究テーマの紙媒体での報告、口頭発表、学会参加、研究会の開催などである。 特に年度末には信教の自由に関する日韓比較宗教史研究会を開催し、坂井悠佳氏を招き 「会衆教会の形成と意義-17世紀ニューイングランドの教会論をてがかりに」というテーマで研究報告を受けた。東アジアにおける日本と韓国の海外宣教勢力からいえば、中国はイギリスとアメリカの宣教勢力がほぼ互角であるのに対して、日本と韓国はアメリカの宣教勢力が支配的である。そしてアメリカの会衆派教会は日本では組合教会の淵源となっている。このことからして、特に坂井氏の発表の中で会衆派教会における自由教会の形成に関しては本研究課題である「信教の自由」とも重なり、大きなインサイトを得ることとなった。 坂井氏は、日本においては組合教会、特に同志社と関わる人々の思想史的研究において多くの研究実績を持つことから、2021年度から研究分担者にお迎えすることとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題遂行にあたって世界規模のコロナ・ウイルスの感染拡大が大きな壁となって立ち塞がっている。それは研究者の対面による交流それから本研究における要となる資料収集にいたるまで大きな負の影響を与えた。 2020年度は本来であれば、韓国、アメリカ、オーストラリア、イギリスなどで海外資料調査ならびに収集を実施する予定であったが、その実施が不可能になった。図書館や研究所における海外研究者の受け入れを中止するなどの措置が取られ、また海外渡航そのものハードルが高くなり、所属研究機関によっては海外渡航出張を認めないなど、実質上不可能であった。このことにより、研究の進捗に大幅な遅れをもたらした。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度におけるコロナ・ウイルス感染の拡大が大幅な研究の進捗に後れをもたらした。また2021年度も引き続きコロナ・ウイルス感染拡大は継続すると考えられることから、今年度も資料収集面では大きな影響を受けざるを得ないと考えている。しかし、ワクチンの普及による感染拡大の抑制もあり得ることから、今年度後半からは状況も多少好転するものと思われる。ということから状況が許せば、渡航可能な国から資料調査・収集を再開したいと考えている。できれば、対面による、講演会、シンポジューム開催の可能性を探りたく考えている。 2020年度と2021年度前半の遅れを取り戻すためには、研究期間の一年延長の検討に入りたく思う。また今年度から研究分担者を一名増員することとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ・ウイルス感染拡大による渡航制限に起因する研究の遅延。今年度後半からワクチン接種による状況の改善が見込まれることから、海外資料調査、収集に集中的に使用する計画である。
|