研究課題/領域番号 |
18K00088
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
福島 栄寿 大谷大学, 文学部, 教授 (20453293)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 浄土真宗布教 / 明治期 / 沖縄・琉球 / 真宗僧侶 / 第三次真宗法難事件 / 琉球藩庁 / 真宗大谷派 / 小栗憲一 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績の概要 ①学会発表:福島栄寿「明治初期琉球における真宗史―第三次真宗法難事件に関連して―」(大谷大学日本史の会2021年度大会 2021年7月24日於:大谷大学)、福島栄寿「明治初期琉球の『第三次真宗法難事件』に関する史料研究」(日本宗教学会第80回学術大会 2021年9月7日オンライン)、②講演:福島栄寿「薩摩と琉球の繋がり~真宗禁制解禁150年に向けて~―新出史料に見る明治初期琉球における真宗布教とその諸相―」(鹿児島別院仮掛所設置記念法要 2021年11月1日於・真宗大谷派鹿児島別院)、③真宗大谷派教学研究所「宗門近代史の検証」研究班主催研究会報告:福島栄寿「近代琉球真宗史を紐解く-新出史料を手がかりとして-」2022年2月22日 於:しんらん交流館)、④2回の共同研究会の開催:第1回2021年8月24日(オンライン)、第2回2022年2月27日(オンライン)共同研究会では、翻刻資料の検討・研究の進捗状況・成果報告書の内容、及び研究協力者による二つの研究報告(知名定寛「明治初期における東西本願寺と琉球」、川邉雄大「沖縄航路関係」)を実施。⑤史料の翻刻と検討:竹富島内本願寺派寺院喜宝院所蔵の前住職による記録ノートの翻刻及び内容検討、大谷大学博物館蔵『在琉球内務省出張所往復並藩庁応接記』の翻刻及び内容検討、⑥資料紹介:福島栄寿「〈資料紹介〉大谷大学博物館蔵『在琉球内務省出張所往復並藩庁応接記』について」(大谷大学図書館・博物館編『書香』第39号)⑦翻刻資料の公開:真宗大谷派鹿児島別院蔵『琉球国内務省出張所往復書藩庁往復並応接記綴込』後半部分の翻刻資料を『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』第39号(2022年3月)に掲載公開。コロナ感染症流行状況のため予定通りの現地調査は断念せざるを得なかったが、地道に取組み、一定の成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集した資料の翻刻作業はある程度、順調に進められている。翻刻資料を活字化し雑誌掲載・大学HPリポジトリ上での公開を実施している(清原競秀「日々琉行之記」(知名定寛・長谷暢・福島栄寿)『神女大史学』第34号 2017年、「【翻刻】「真宗大谷派鹿児島別院蔵 明治十一年三月整頓 琉球上申書類綴込」(福島・知名・川邉雄大・長谷)『真宗総合研究所研究紀要』第37号 2020年、「【要旨】【翻刻】琉球国内務省出張所往復書藩庁往復並応接記綴込(前)」(福島・知名・川邉・長谷)『真宗総合研究所紀要』第38号 2021年、「【翻刻】琉球国内務省出張所往復書藩庁往復並応接記綴込(後)」(福島・知名・川邉・長谷)『真宗総合研究所紀要』第39号2022年3月」)。 また、翻刻・公開した資料の検討・考察に基づく論考を、研究代表者・福島栄寿と、研究協力者・知名定寛が著し、一定の研究成果を公にすることが出来た(知名「琉球における第三次真宗弾圧事件と「琉球藩王尚泰訴状」について」『神女大史学』第36号 2019年、福島「明治初年琉球の真宗布教―「真宗法難事件」と廃琉置県(琉球処分)―」『立命館文学』第660号 2019年)、福島「明治期初期琉球における真宗布教に関する一考察―清原競秀『日々琉行之記』をめぐって―」『真宗研究』第64輯 2020年)。しかしながら、2020年春以降のコロナ感染症流行のため、この間、予定していた沖縄・東京・九州地域への現地調査を思うように実施することが出来なかった。本来であれば、資料調査や現地聞取り調査で得られる詳細な情報を踏まえた形での資料検討・考察・論文作成に繋げる予定であったが、これらの取組みに若干の遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度、再延長することとした。予定していた現地調査・聞取り調査などを、コロナ感染症の流行状況に鑑みながら、実施したい。また、場合によっては、オンラインでの聞取り調査の可能性を探りつつ、研究課題の着実な推進につなげていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由としては、主に2点ある。1点は、2020年春頃からの新型コロナ感染症流行のため、2021年度予定していた沖縄・東京への現地調査が実施出来ず、出張旅費・謝金等の支出がなかったからである。もう1点は、予定していた現地調査の結果や分析を踏まえ、最終年度に研究成果報告書をまとめ、印刷製本費として使用する予定であったが、上述のように、現地調査が充分にできず、研究成果報告書としてまとめることができなかったからである。 次年度は、沖縄・東京への現地調査のための出張旅費・謝金、並びに資料収集費として使用する。加えて、新型コロナ感染症の流行状況に鑑み、現地調査の代替として、調査を予定している資料類の復刻版DVD等の購入を予定している。そして、最終年度としてこれまでの取組んできた研究成果報告書の印刷製本費として使用予定である。
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