研究課題/領域番号 |
18K00089
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
四戸 潤弥 同志社大学, 神学部, 教授 (80367961)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アフマド有賀 / 井筒俊彦 / 日本のイスラーム研究 |
研究実績の概要 |
パンディミック、コロナ禍により、ロンドン調査旅行が実施できなかった。アフマド有賀のクルアーン訳は、オリジナル原典配列と違っている。章配列が、英国のオリエンタリスの啓示時代確定研究成果に依拠している。そのため、イスラーム信徒であったアフマド有賀のこうした行為は説明が必要となるものであった。そのために、当時の研究状況の調査が必要と考えた次第である。2020年度成果として彼のクルアーン訳とその編集、校閲状況を伝える手書きノートのPDF化作業は完了した。アフマド有賀の研究は、戦前のイスラーム受容と、その理解を明らかにする研究ためにある。このため、同時並行として、井筒俊彦のイスラーム学の研究も併せて行ってきたが、その成果を、拓殖大学イスラーム研究所紀要(2020年3月刊)と日本宗教学会学術大会*2020年9月)で発表した。同研究は、井筒の研究をイスラーム伝統学者たちの研究の系譜に位置づけて、を明らかにしたものである。 予定では2021年度3月に終了している計画であったが、前年度がパンディミックのコロナウィルス感染により、研究が制約を受けてしまった。前年度に、アフマド有賀が底本としたクルアーンの英訳とその当時の状況をロンドン取材で調査する予定であったが、旅行制限があり、実行できなかった。研究実施状況を見ると、第1年度 アフマド有賀家族の元に残された、手書き日記を含む関連資料収集を、アフマド有賀墓石取り換えプロジェクトを通じて実現できた遺族たちへの交流を通じて行った。、第2年度は、カナダ・トロント州ハミルトン市在住の直系遺族訪問と手元資料収集を現地訪問と通じて行い、同時にキリスト教信仰を続けた子孫たちと、アフマド有賀との関係を調査できた。第3年度は、前記の予定が実行できなかったが、アフマド有賀『香蘭経』訳の手書き校閲ノートのPDF化作業が完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定では2021年度3月に終了している計画であったが、前年度がパンディミックのコロナウィルス感染により、研究が制約を受けてしまった。 前年度に、アフマド有賀が底本としたクルアーンの英訳とその当時の状況をロンドン取材で調査する予定であったが、旅行制限があり、実行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
延長願い後の本年度は、これまで調査をまとめ、PDFの手書きノートを含め、PDF電子報告書として仕上げ、公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
パンディミックのコロナ禍による予算執行の制限状況で調査旅行ができなかった。これによる次年度使用計画は、最終年度の仕上げとして、PDFを電子報告書としてまとめるためのPDF出版のためのソフト購入を予定している。
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