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2020 年度 実施状況報告書

「植民地朝鮮における日本人宗教者に関する基礎的調査研究」

研究課題

研究課題/領域番号 18K00090
研究機関四国学院大学

研究代表者

金 泰勲  四国学院大学, 文学部, 教授 (10608706)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード植民地朝鮮の日本人宗教者 / 朝鮮総督府宗教関係文書 / 近代日韓宗教関係データベース / 近代日韓宗教史 / 朝鮮総督府の宗教政策
研究実績の概要

2020年度は、コロナの関係で韓国への現地調査と国内での資料調査が全く実施できなかった。その関係で、2020年度の研究状況は予定より全体的に遅れることになった。その一方、2019年度までに行った研究成果を論文、翻訳、学会発表などを通して発信することに充実した。まず、2019年度に行った中間報告の内容をまとめて、翻訳論文・安裕林/金泰勲訳「日本帝国におけるキリスト教統制法の朝鮮移植-キリスト教布教機関規制を中心に-」(『東アジアの思想と文化』第11号、東アジア思想文化研究会、2020年3月、1-24頁)と『朝鮮総督府官報』の情報を整理した論文「『朝鮮総督府官報』から見る日本系宗教流入の全体図」(『共存の人間学』第4集、全州大学韓国古典学研究所、2020年8月、233-273頁)を完成することができた。
また、本研究の最大目的でもある、データベースHP「植民地朝鮮の日本人宗教者」の方は着々と進展することができた。データベースのサーバー容量を増量する必要性から、jrpck.comからjrpkc.orgへ移転、再構築することができた。『朝鮮総督府官報』データは反映完了して、韓国・国家記録院所蔵の朝鮮総督府宗教関係文書の方も順調にデータ反映が進んでいる。今年度の最大の実績は、検索機能を構築してデータベースへの積極的なアクセスができるようになったことが挙げられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度はコロナの関係で海外渡航ができなく、2019年3月、2020年8月、2021年3月と、3回分の韓国現地調査ができなかった。そのため、植民地朝鮮の日本系宗教の現在を確認する作業を中断せざるを得ない状況となった。その分は研究全体の予定よりやや遅れることとなった。
また、国内での研究においても緊急事態宣言など移動の制限が厳しく、各宗派への現地調査など対面のフィールドワークは全て中止せざるを得ない状況だった。しかし、ZOOMなどを利用した研究会や学会活動には積極的に参加して、韓国宗教学会、日本宗教学会、朝鮮史研究会での研究報告を行った。また、植民地朝鮮の宗教研究を専門とする研究者のみのZOOM研究会を企画して、「朝鮮総督府宗教政策研究会」を立ち上げることができた。
そして、データベースHP「植民地朝鮮の日本人宗教者」は順調に進められ、韓国・国家記録院所蔵の朝鮮総督府宗教関係文書31冊の内、26冊までデータ反映が完成した。検索機能の構築からデータベースへのアクセスもより便利になり、毎月平均300件の外部アクセスを維持している。

今後の研究の推進方策

2021年度は、韓国・国家記録院所蔵の朝鮮総督府宗教関係文書31冊の内、残り6冊のデータ反映作業を完成し、その成果を日本宗教学会で研究報告する。
また、本年度は研究最終年度として総まとめ作業を行う。コロナの状況変化にもよるが、今年度末には研究最終報告会を開催できるように努める。場合によってはZOOMを利用した非対面の研究報告会を実施する。
これまで収集・整理してきた植民地朝鮮の日本人宗教者データは3万件(A4・340頁)にのぼる。このデータとこれまで発表した論文などをまとめて最終研究実績報告書を制作・刊行する。

次年度使用額が生じた理由

コロナの関係で2020年度研究における現地調査などが全くできなかったので、最終研究年度を2021年に延長申請しました。
本年度は、コロナの状況に応じながら、できる限り現地調査を実施する。韓国への調査が今年度も無理な場合は、国内調査を増やして行う。ZOOMを利用した国際研究集会の開催も積極的に検討する。データベースHP「植民地朝鮮の日本人宗教者」の維持費として執行する。最終研究実績報告書の刊行費として執行する。

研究成果

(7件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 『朝鮮総督府官報』から見る日本系宗教流入の全体図2020

    • 著者名/発表者名
      金泰勲
    • 雑誌名

      『共存の人間学』

      巻: 第4集 ページ: 233~273

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本帝国におけるキリスト教統制法の朝鮮移植-キリスト教布教機関規制を中心に-2020

    • 著者名/発表者名
      安裕林/金泰勲訳
    • 雑誌名

      『東アジアの思想と文化』

      巻: 第11号 ページ: 1~24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新刊紹介「桂島宣弘・長志珠絵・金津日出美・沈熙燦編『東アジア 遭遇する知と日本-トランスナショナル思想史の試み」2020

    • 著者名/発表者名
      殷暁星・金泰勲
    • 雑誌名

      『東アジアの思想と文化』

      巻: 第11号 ページ: 128~133

  • [雑誌論文] 書評「青野正明著『植民地朝鮮の民族宗教―国家神道体制下の「類似宗教」論』」2020

    • 著者名/発表者名
      金泰勲
    • 雑誌名

      『日本思想史研究会会報』

      巻: 36号 ページ: 115~122

    • 査読あり
  • [学会発表] 「植民地朝鮮における日本系宗教の全体図―『朝鮮総督府官報』を中心に―」2020

    • 著者名/発表者名
      金泰勲
    • 学会等名
      日本宗教学会大79回学術大会
  • [学会発表] 「植民地朝鮮の日本人宗教者たちに関する基礎的研究-デジタルアーカイブの活用とデータベース構築」2020

    • 著者名/発表者名
      金泰勲
    • 学会等名
      韓国宗教学会2020年度学術大会
  • [備考] 植民地朝鮮の日本人宗教者

    • URL

      jrpkc.org

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公開日: 2021-12-27  

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