| 研究課題/領域番号 |
18K00091
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| 研究機関 | 上智大学 |
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研究代表者 |
永澤 哲 上智大学, グリーフケア研究所, 准教授 (40388210)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | チベット / 密教 / ゾクチェン / 身体 / 生命 / 瞑想 / 哲学 / 心 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、14世紀にゾクチェン(「大円満」)の哲学、修行を洗練した体系に磨き上げたロンチェンパの生命思想をテ―マにしている。本年度は、3回の海外での現地調査(インド・ネパ―ル、台湾、シンガポ―ル)を実施した。現地調査では、儀礼の参与観察、6人のチベット人学僧、行者、医師をインフォ―マントにした聞き取り調査、資料収集、文献研究を行った。また国内での研究を続行した。またそれらの成果を含む4本の論文を発表した。
本年度の研究によって、特に①ロンチェンパの代表的著作である「四つの心髄」の概要、②12世紀から17世紀にいたるゾクチェンの思想的展開の流れにおけるロンチェンパの位置、③19世紀東チベットにおけるロンチェンパの影響、④ゾクチェンの伝統における「死の儀礼」の歴史的変容過程と、特にカギュ派との影響関係を、大まかに明らかにすることができた。
①については、従来まったく理解されておらず、大きな収穫である。②について、12世紀から18世紀にいたる時間の中で、ゾクチェン思想の展開を理解する試みは従来存在せず、重要な発見であった。また④は、カギュ派との相互的影響関係の中で、立体的に考える視点は従来存在せず、重要な進展だった。特に今後、超大量死時代を迎えるわが国の「死の作法」を考えるうえで、大きな示唆を得ることができた。①②④については、今後、論文として公刊する予定である。また③については、その一部を、論文として発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、ロンチェンパの主要著作の一つである「四つの心髄」を、重要なテ―マの一つとしている。本年度は、三回の海外研究出張により、その概要を明らかにすることができた。これは極めて大きな収穫であった。またロンチェンパの伝統が、十九世紀東チベットに、もたらした影響について、まとめることができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
海外での現地調査、聞き取り、文献研究、資料収集を組み合わせる基本方針は、変わらない。コロナ・ウィルスの影響が長引く場合、現地調査の場所、時期、期間について再検討して実施するつもりである。
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