研究課題/領域番号 |
18K00094
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金山 準 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (30537072)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 思想史 / フランス / 理性 / 家族 / 社会的なもの |
研究実績の概要 |
本研究の最大の目的は、19世紀フランス思想における「社会(的なもの)」を、統治の根拠たるべき「理性」との関連から検討することである。それは言い換えれば、「統治の根拠を社会からいかにして引き出すか」という問いでもある。なお正統性の根拠の「意志」から「理性」への転換や、統治の合理化といった発想は、19世紀の自由主義に広く共通するものであったが、この統治の合理化という問題意識と19世紀における社会的なものの前景化との連関が、本研究の出発点となった関心である。 より具体的な対象としては、ピエール=ジョゼフ・プルードン(1809-1865)の思想について、同時代のリベラルを補助線としつつ検討する。プルードンは一般的に社会主義者とされるが、恣意的な支配としての「専制」への警戒や、国家権力の肥大化に対する批判などの点で、むしろリベラルとの共通性が大きい。 プルードンの理性概念についての研究は平成30年度中にかなりの程度進展し、おおよその見通しを得ることができた。つづく平成31年度(令和1年度)は、プルードンおよびA・コントの家族論について集中的に検討した。一般的にきわめて合理主義的と言われるプルードンの思想にあって、家族における愛の問題は、その合理主義の限界を示すものとして意義がある。 令和2年度は、以上の研究成果を取りまとめ、発表するための時間に充てた。ただし新型コロナウイルスの感染拡大とそれへの対応に伴い令和2年度中の成果発表は十分に行えなかったため、令和3年度にそれらの発表・報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、本年度に予定していた出張はあきらめざるを得なかった。同じくコロナ対応により当課題以外の業務量が著しく増大したことと併せ、本年度に予定していた成果報告は予定より遅滞している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の補助事業期間延長が承認されたため、引き続き研究の取りまとめと成果報告に向けた作業を続ける。今年度中にまとまった形で成果を報告・発表する予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していた出張を取りやめ、その分の額が未執行となった。社会状況は今年度も大きく変わらないと思われるため、出張とは別の形で、成果報告のための費用として使用する予定。
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