• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 研究成果報告書

トランスナショナルなシティズンシップと人権に関する思想史的研究

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 18K00105
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関大阪公立大学 (2022)
大阪市立大学 (2018-2021)

研究代表者

中村 健吾  大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70254373)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードシティズンシップ / 人権 / 相互承認
研究成果の概要

私はこの研究により、普遍主義的な人権と個別主義的なシティズンシップの諸権利とのあいだを架橋しうる哲学的な理路を開拓しようと試みた。標準的な理解によれば、人権は人間が単にに人間であるというだけで有している権利であり、国籍や性別や能力を原理的には問わない。それに対し、シティズンシップにもとづく諸権利のほうは、特定の政治的共同体の市民であるものに対してのみ認められる権利だとみなされる。しかしながら、諸権利の発展の歴史を振り返るなら、権利の享有主体が拡大する場合でも、道徳上の新しい要求が権利として認定される場合でも、人格性や権利内容に関して相互承認をめぐる闘争が生じていることが判明する。

自由記述の分野

社会思想史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、法学においても哲学においてもその妥当根拠が依然として曖昧である人権の論理的な基盤を明らかにすることに貢献するものである。本研究はまたそのことをとおして、通常の理解にしたがえば特定の政治的共同体の成員資格を意味するとみなされがちなシティズンシップを、普遍主義的な人権の理念へ架橋していくための理路を明らかにする。そうすることによって、シティズンシップはもはや、個別主義的で静態的なシティズンシップの固定観念を越えて、21世紀においても欧州シティズンシップとして具体化されつつあるトランスナショナルなシティズンシップの構想を語ることができるようになる。

URL: 

公開日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi