研究課題/領域番号 |
18K00106
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
本多 創史 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40528361)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 優生学 / 近代日本 / 思想史 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症拡大のため海外渡航および国内移動が困難であり、今年度はほとんど資料収集をおこなうことができなかった。そこで、2019年度までに収集した資料を用いて、著作を執筆した。執筆した著作は二点である。一点は、共著で、海外から出版された。もう一点は、単著で、国内において出版された。以下単著に関して説明する。 書名は『近代日本の優生学-〈他者〉像の成立を巡って』、出版社は明石書店、発行日は2022年1月である。同書は以下のような章立てとなっている。 第一章 遺伝学と優生学-「進化学専攻」海野幸徳の選択、第二章 接地-加藤弘之、井上哲次郎、永井潜の人間認識と提言、第三章 興隆-優生学、政府調査会答申に盛り込まれる、第四章 洗練-古屋芳雄による生物統計学の応用、第五章 決定-浮上する断種手術、第六章 主流派批判-木田文夫の思想の冒険。 いずれの章も本科研費により収集し得た資料に基づき執筆されている。その意味では研究費を充分に活かすことができたと言える。なお本書は、優生学の歴史を辿るものであるが、従来の諸研究とは異なる特色がある。それを一言にして言うなら、近代日本において「他者」とは誰であったのか、「他者」はどのような存在として認識されていたのか、その認識はどのように普及していったのか、そしてその「他者」の身体への侵襲はどのようにして正当化されたのか、などを基軸として記述している点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大により、当初予定していた海外における資料収集ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、海外渡航が可能になり資料収集できるようなら直ちにおこないたい。困難な場合には、国内において資料収集をおこない、論文にまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大のため海外渡航および国内移動が困難で、資料の収集ができなかったため。 今年度は移動が可能であれば資料収集をおこなう予定である。
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