研究課題/領域番号 |
18K00117
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研究機関 | 公益財団法人中村元東方研究所 |
研究代表者 |
加藤 みち子 公益財団法人中村元東方研究所, その他部局等, 専任研究員 (10306524)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 天道 / 陰陽道 / 道教 / 琉球 / 韓国 / 吉田神道 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、東アジアおよび日本各地で重要な信仰として広まっている「天道(天)」の意味を探るために、フィールド調査および史資料の調査を行い、陰陽思想・道教を含む「宗教複合」思想を浮き彫りにすること、とりわけ「大陸とのつながり」を視野に入れて精査することにより、従来の研究では抜け落ちていた「天道」思想の現代につながる意義を見出すことを目的とするものである。 平成30年度は当該研究の初年度であり、天道信仰に関する国内外の資料収集を行い、フィールド調査を行う計画であった。よって当初の計画に従い、国内で、天道信仰の普及地域として知られる北関東で、神道・仏教・道教・陰陽道を視野に入れて、資料収集および調査に従事した。また、国外調査については、韓国の思想および、現地情報に明るい、ネイティブの研究協力者の助力を乞い、韓国の土着信仰・道教・仏教・陰陽道に関する基本資料の収集を実施するとともに、天・天道概念に関する基本資料をソウル大学・高麗大学等大学図書館で可能な限り収集を進めた。 国内調査では、天道念仏および天道祭祀の伝承の残る、千葉県・茨城県・群馬県・栃木県・東京都において資料収集に努めたが、当該地域の祭祀における「天道」が、東アジア諸宗教の複合信仰概念であることが、祭祀研究の実際によって裏付けられることが解明されつつある。また韓国調査であつめた資料を順次読み解いている。当年度は資料収集に終始したが、当該資料の読解により、道教・陰陽道に関連する思惟および祭祀として「天」および「天道」概念が登場している部分を確認していることは順調な成果と考える。 とくに今回の研究では、道教系天道信仰に関する大陸から琉球経由でのルートを解明するという目的があるが、韓国調査で道教関係の資料を多く収集したので、今後重点的に読解を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内調査では、天道念仏および天道祭祀の伝承の残る、千葉県・茨城県・群馬県・栃木県・東京都において資料収集に努めた。当該地域の祭祀における「天道」が、東アジア諸宗教の複合信仰概念であることが、祭祀研究の実際によって裏付けられることが解明されつつある。また韓国調査であつめた資料を順次読み解いている。 当年度は資料収集に終始したが、当該資料の読解により、道教・陰陽道に関連する思惟および祭祀として「天」および「天道」概念が登場している部分を確認していることは順調な成果と考える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は、昨年度収集した資料の読解作業を早急ににすすめていくとともに、本年度は、当初の研究計画に従って琉球調査に着手し、琉球から大陸へと天道信仰の系譜がどのように跡付けられるか、研究を続ける予定である。以上を踏まえてその成果の一部を学会で発表し、識者の意見を踏まえてさらに調査を進めていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は琉球調査をすることができなかったので、本年度は琉球調査を積極的に進める。
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