研究課題/領域番号 |
18K00119
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
外山 紀久子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80253128)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エネルギー / 気 / 身体論 / 上演芸術 / 現代アート |
研究実績の概要 |
令和4年度も、著書の出版に向けてこれまでの研究成果を吟味するとともに、適宜編集者と連絡を取り合って不足分の補完に努めた。 前年度に引き続き、「気の身体」の具体的な現れを領域横断的に把握するための結節点となりうる「歩行」をめぐる種々の論点について、国内外で行われてきたイベントや展覧会(Walking Sculpture1967-2015展、「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2022」など)を中心に多岐に亘る実践の調査を進めた。 京都国際舞台芸術祭実行委員会からの依頼によりKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2022」(10/1-10/23)に際して作成された冊子に執筆、上演芸術と歩行の問題に取り組んだ。他方、「歩行 退屈 抵抗:気の身体論再考」と題して、現代美術、現代舞踊、メディア論の分野で問題関心を共有する研究者(越智雄磨氏、中島那奈子氏、松田愛氏、松井茂氏ほか)を招いてオンラインでの報告会/研究会を企画し、どのような文脈・時代背景のもとで「歩行」のような通常は日常の中に埋もれ、芸術の外にあるとされる活動が注目され、カウンター的な実践として意味を持つと考えられるのかを議論する機会を得た。 同時に、ポストモダンダンスの重要なソースであるアメリカを中心とするソーマティクスの展開とアジアの武術・整体などの身心変容技法との比較を続行し、とりわけ子ども(幼児)の身体及び動物身体の有する解法力への注目がパフォーマンス研究に関与する事例の発掘に努めたが、後述する事情で発表するに至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度こそ著書の執筆・公刊にたどり着いて研究を完了する予定であったが、引き続き健康上の理由で研究時間を十分確保できない状況にある上、新型コロナに感染/入院に至り、再び延長を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた国外への実地調査が(健康上およびスケジュール上)できないため、オンラインで開催されているワークショップや研究交流会への参加、ローカルな対面でのワークショップへの参加によって視点閉塞を防ぎ、中断している著作の執筆を再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染による研究中断のため。
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