研究課題/領域番号 |
18K00129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 京都市立芸術大学 (2021-2023) 香川大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
川端 美都子 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (20749858)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メディアスポラ / 民族音楽学 / ホーム / ディアスポラ / アルゼンチン=ユダヤ |
研究成果の概要 |
本研究は、ディアスポラや故郷と呼ばれる場・概念を往来するアルゼンチン・ユダヤ音楽家たちの活動を追うことで、音楽のなかでこの両概念がどのように相互可変するのか、またその際のメディアの役割について考えるものであった。このような音楽家らによる音楽実践の現場で参与観察を行い、彼/彼女らによる音楽表現やそこに至る過程を分析した。また、音楽とディアスポラ・故郷観との関係を探るためにインタビューを実施・分析した。これにより、物理/バーチャルをまたがるハイブリッドな現実のなかで、多様な音楽ジャンルが混ぜた音楽演奏は創造性や帰属意識と関わっているだけではなく、政治的・経済的理由とも結びつている様を明らかにした。
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自由記述の分野 |
民族音楽学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物理的にも観念的にもディアスポラと故郷の間を移動するアルゼンチン=ユダヤ音楽家の音楽実践・表現を追うことで、どのような音楽がハイブリッド化されているのか、またそれがメディアを通してどのように自身のネットワークで共有されているのかについて考察してきた。さらに、その混成の取捨選択が、複数の境界(宗教、民族、言語、政治)をまたぐ音楽家たちにとって、単なる帰属意識や創造性の問題ではなく、個人的アジェンダやコンフリクトの回避という意味を持つことについても明らかにした。これにより、オフラインとオンラインをまたぐハイブリッドな現実のなかで、音楽による差異の克服という可能性を拓く試みとなった。
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