「20世紀以降の器楽音楽と電子音響音楽における構造的音色表現の研究」では、音色の諸相を分野横断的に、シェフェールの音響思想の基盤となる1940年代のラジオ活動と演劇活動の音楽学的歴史研究、1960年代の電子音響音楽における音響心理学を『音響オブジェ論』の翻訳と音響サンプル製作による感性データ研究等を進めた。 ラジオ活動と演劇活動は、ミュジック・コンクレートに独特の方向性を持たせた。音響の聞き取りに関して、聴取者の記憶・経験や文化背景に加え、本研究では、青年演劇活動の脚本製作や演出、初期ラジオ放送に技術者として携わったこと、ラジオ・ドラマに独自の広がりを持たせことに焦点をあてた。
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