研究課題/領域番号 |
18K00140
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研究機関 | 東京音楽大学 |
研究代表者 |
小日向 英俊 東京音楽大学, 音楽学部, 客員教授 (00399742)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インド音楽 / 異文化音楽の受容 / 移民の音楽 / ソフトパワーとしての音楽文化 |
研究実績の概要 |
沖縄在住インド人コミュニティーの宗教歌謡につき、その歌詞のディジタル化を継続し、フィールド調査で取得した歌と、テキストとしての歌詞の比較を進めた。今後、これらの検討結果を精査する。 神戸在住インド人コミュニティーの音楽文化については、インターネットを利用した文献探査のみを進めた。残念ながら、2021年度もCOVID-19継続の影響により、実際のフィールドワークは実施しなかった。 東京在住インド人コミュニティーの音楽文化については、彼らの活動調査をオンラインインタビューなどを中心に実施した。残念ながら、2021年度もCOVID-19の影響から音楽・文化イベントの開催は小規模、またはオンラインでの実施など、通常とは異なる状況となった。 2021年度の調査では、東京在住インド人コミュニティーと日本人ホスト社会との連携に関わる、在日インド大使館の立場にも着目した。在東京の大使館では、本国でのe-Gov推進も反映して、在日インド人コミュニティーの情報開示を推進している。また大使館が主催する「Vivekananda Cultural Centre」は、日本人向け(限定ではないが)インド文化教室の開催により、日本におけるインド文化の紹介を推進している。ここで開催されるインド音楽、インド舞踊のクラスでは、日本人の音楽家も指導者として採用しており、「日本人インド文化の担い手」、在日インド人コミュニティー、日本人ホスト社会の架橋の役割も担っているとの知見を獲得した。 東京圏においては、インド音楽の担い手を、在日インド人コミュニティーと日本人の両者に見出すことができ、かつそれらを架橋するアクターとして、外交機関も大きな役割を担っていることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響は依然大きく、調査対象地へのフィールドワークが実施できなかった。オンラインによるインタビューも試みているが、これには限界があることは明白である。今後、「ウィズコロナ」の推進の環境もあり、文化活動の状況も「平時」に近くなることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、対面によるフィールドワークを試行する。 沖縄在住インド人コミュニティーの宗教歌謡について、取得した歌詞集について分析を継続する。 東京在住インド人コミュニティーについては、今後の「ウィズコロナ」の推進の環境の中で開催されるであろう文化活動を対象に、対面フィールドワークを試行する。 これまで得られた知見に基づき、移民コミュニティーの音楽文化のアクターに着目した「文化受容モデル」を用いて、これまでの研究をまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費:主に「移民」に関する文献を購入予定。旅費:フォローアップ調査を沖縄で実施予定。「宗教歌謡」に関する調査をインドで実施予定。 人件費・謝金:フィールドワーク関連謝金を支出予定。 その他:研究情報取得のため、学会関連費を支出予定。
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